フットボールの母国巡礼の旅

イングランドの92クラブを訪ねる旅

2014年12月31日。年越しパーティーへ向かう車の中で友人にふとこんな疑問を投げかけた。「イングランドにはいくつのサッカークラブがあるの?」友人は即座にこう答えた。「92だよ。」これは所謂リーグサイドと言われるプロサッカーチームの数なのだが、私が思っていたよりもはるかに少なかった。92なら全て行ける、そう思った瞬間それが2015年の新年の抱負となった。92クラブ全てを巡りその精神を知る巡礼の旅をしよう。

2010年までサッカーの試合を一度も生で見たことのなかった私がこんな目標を立てることになったのは、テレビ番組の取材で訪れたイングランド各地で出会った個性豊かなサッカーファンたちの影響故だろう。彼らと関わる中でイングランド国民の精神の真髄にはサッカーがあると思えて仕方なくなった。サッカーを知ればイングランドのことがわかるような気がした。産業革命時代に遡るアソシエーションフットボールの歴史は今でも彼らの生活スタイルを支えている。サッカーの試合の結果ひとつで彼らの人生は変わってしまうのだ。

アーセナルのファンたちの集うあるパブを訪れた時、オーナーが壁に描かれた歴代のレジェンドたちを指してこう言った。「これは俺たちにとってのシスティーナ礼拝堂なんだ。」その言葉はイングランド国民にとってのサッカーの意味の全てを物語っていると思う。

世界の大金持ちのエゴと投資の対象としてのサッカーではない、クラブに集う人々の精神と伝統に裏打ちされたフットボールが私は好きだ。だから日本のサッカーファンに少しでもそんなイングランドサッカーの一面を伝えられたら嬉しいと思ってこの巡礼を続けている。

ワールドサッカーダイジェスト

ワールドサッカーダイジェスト

2015年4月よりワールドサッカーダイジェスト誌に「フットボールの母国 巡礼の旅」と題した隔号連載を掲載していただいています。毎月第3木曜日発売で、日本全国の書店やコンビニで購入いただけます。私、鈴木祐子と一緒にイングランドのサッカークラブを旅を楽しみませんか?

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これまでに訪れたクラブと町