「ビジネス英会話で相手の申し出を断りたいけれど、丁寧に断るためにどんな表現を使えばいいかわからない」というときのために、今回はお断りするときに使えるビジネス英語の表現についてお話ししていきたいと思います。
英語で断るときの丁寧な表現
- イタリア人に結婚を申し込まれたとき
- 相手のオフィスで飲み物を勧められたとき
- 相手が出してくれたアイディアを断るとき
- やむなく断念を強いられるとき
イタリア人に結婚を申し込まれたとき
あなたは日本語で「No」に対応する言葉としてどんな言葉を使っていますか?辞書の訳語を見ると「いいえ」が「No」に対応する日本語ですね。でも普段日本語で自然な会話をしているとき、あなたはどれくらい「いいえ」という言葉を使っていますか?昔日本で、イタリア人にこんな指摘をさたことがあります。
「日本人の女性はほとんどNoと言わないようだが、もしよく知らない男性に結婚してくれと言われたら一体どうするんだ?」
これは非常に的を得た指摘です。もしあなたが友達になって間もない相手から「結婚してもらえませんか?」と言われたら、なんと答えるでしょうか?おそらく「いいえ」と断言することはないでしょう。
「えぇ?!」
あるいは、
「やだぁ!」
と笑ったりするのが自然な反応だと思います。そのイタリア人曰く、このような反応を締めさたば場合は断られていないので諦めないというのが基本スタンスだそうです。
よって、あなたとは結婚するつもりはないという意志をしっかりと伝える必要があります。
So sweet of you, but the answer is no.(素敵なことだけど答えはNoです。)
No way. I barely know you.(ありえない。あなたのことほとんど知らないし。)
No. Sorry, I am not interested.(Noです。すみませんが、興味ありません。)
などとはっきり断るようにしましょう。
この話はあくまでも半分冗談なのですが、海外のビジネスの現場でたくさんの日本人の行動を観察してきた経験から言えるのは、ほとんどの日本人が「No」と言えないだけでなく、断るという行為が申し訳ない、あるいは礼儀がなっていないとして、優柔不断な態度を取り続けるということです。グローバルなビジネスシーンで通用するコミュニケーションを取りたいのであれば、まずはこの優柔不断なメンタリティを脱ぎ捨てる必要があります。
相手のオフィスで飲み物を勧められたとき
例えば、よくあるのが相手のオフィスを訪ねたときのワンシーンです。日本人のクライアントさんと一緒に、欧米人の務めるオフィスを訪ねていくことが結構あるのですが、挨拶のあとよく相手から次のように聞かれます。
Would you like something to drink?(何か飲み物はいりますか?)
みなさん、なんと答えますか?
私の経験で一番多い答えは、
あぁ、どうしようかな・・・。
です。返事を迷っているのを察して相手は、
We have coffee, tea, water and…, ah green tea as well!
なんて言ってくれるのですが、多くの日本人は
あぁ・・・。
と言ったまま固まっています。驚くほど多くの日本人が同じ態度を取るのです。
断り方の問題以前に、まず飲み物がいるのかいらないのか、いただくなら何をもらうかを決断する必要があります。私たち日本人というのはどこかで、他人に迷惑をかけていないかどうかを非常に気にするところがあるのだと思います。それは相手も日本人の場合、謙虚で慎ましやかな非常に礼儀正しい印象を与えるのですが、国際的なビジネスの場だと、逆に決定しないことが一番迷惑になっていることがあります。
「ここでは、飲み物をいただいたほうがいいんですかね?」と聞かれることもあります。答えとしては、どちらでも構いません。いただきたければ、
A glass of water would be great!(お水をいっぱいいただけますか?)
などと言えばいいですし、もし必要ないのであれば、
No, thank you.(結構です。)
Thank you for offering, but I am OK.(ありがとうございます、でも大丈夫です。)
Don’t worry about it. We just had coffee. (お気遣いなく。コーヒーを飲んできたばかりなので。)
などといってお断りすればいいのです。申し訳ない気持ちを言い方や表情に込めて言いつつも、言葉では必要でないという断りの旨をはっきりと伝えることが重要です。
相手が出してくれたアイディアを断るとき
飲み物をいただくかどうかといった程度のことであれば大した問題にはなりありませんが、もしもっとビジネスそものに関わることだったらどうでしょう?例えば、インタビューを撮影するために取材相手のもとを訪ねていったとします。そこで相手から、
「こんなショットを撮影してはどうでしょう?」
と提案されたとします。すると、日本人の多くは、
ああ、どうしようかな・・・。
と言って固まってしまいます。
でもよく考えてみてください。ここでの答えは2つしかありません。理由はともかく撮影したいなら、
That’s a great idea! Let’s do that. (いいアイディアですね、やりましょう。)
といえばいいですし、それが撮影する必要のないものであるなら、
I appreciate your suggestion, but I want to shoot it in a different way.(いい案ですが、ちょっと違う形で撮影させてくもらいたいです。)
などと断ればいいのです。この優柔不断さは、相手の気分を害したくないというところからきていると思いますが、相手からしてみると、やるのかやらないのかわからない状態が一番居心地が悪い のです。もし断ったら申し訳ないと思って断れないでいるのなら、申し訳なくないので断ってください。もし本当になんと答えればわからない、あるいは考える時間が欲しいのであれば、それをしっかりと伝えることが重要です。
I am not sure. Let me think and I will come back to that.
(ちょっと決めかねるので、考えさせてください。後ほどまたお伝えします。)
ちなみに一度保留にしたことをそのまま曖昧にしておいたら、相手は必ず忘れます。ですか ら、欲しいもの、やりたいこと、はできる限りすぐに「やるお 」と判断し、その旨を伝える必要があります。あるいは自分の責任でしっかりとメモなどをとるなどしておいて、先ほど保留にした件はこうしようというイニシアティブを取ることが大切です。
やむなく断念を強いられるとき
相手をがっかりさせるようなことだけれど、やむなく断ったりNoと言ったりしなければいけないときの表現には以下のようなものがあります。これもまた言いにくいことは確かなのですが、いずれは伝えなければいけないことなので、早めにはっきりと言うようにしましょう。理由を説明することも忘れないようにしてください。以下の表現は相手への同情や申し訳ない気持ちが含まれた表現なのでビジネスの場面でも使いやすい言い回しです。
Did I pass my exam?(私はテストに受かったでしょうか?)
I am afraid not.(残念ですが、受かっていません。)
Have you you finished your presentation yet?(プレゼン準備は終わりましたか?)
Unfortunately not. I need more time.(残念ながらまだです。もう少し時間が必要です。)
Due to unforeseen circumstances, I have to cancel my business trip.(予想外の事情があって、出張をキャンセルせざるをえません。)
Would you like to have lunch with us?(一緒にランチにいきませんか?)
I would love to, but I can’t. I have a lot of work to do. (行きたいのですがいけません。やるべきことがたくさんあるので。)
みなさんも優柔不断な日本人にならないように、うまく「No」を伝えられるように心がけてくださいね。