外国でのレストランでメニューの見方がわからずお困りですか?海外のレストラン、特にモダンヨーロピアンやフレンチ、イタリアンでのメニューの見方と注文の仕方について教えます。
ヨーロッパの一般的なレストランでの注文の仕方
基本のスリー・コース
最初に知っておいていただきたいのが、基本のスリー・コースの考え方です。日本人にはこれについてあまりご存知ない人が多いようなので、大前提としてまず知っておいていただきたいコンセプトです。ヨーロッパのレストランでは、1人が3コースを注文する考え方が一般的です。3コースというのは以下の3つのことを指します。
- 前菜 Starter
- 主菜 Main
- デザート Dessert
一般的なレストランのメニューは1〜3のそれぞれの項目に分かれていますから、それぞれのところから1つずつ選びましょう。ランチメニューなど1枚の紙に書かれたもので、項目名が書かれていないものもありますが、3つのブロックに分かれていればこの3つのコースを意味していると思ってください。
2コース、1コースにすることも可能
もちろんあまりお腹が空いていなければ、前菜と主菜だけ、主菜とデザートだけなどという風に2コースにすることもよくあります。ヨーロッパのレストランの一皿は、アメリカほどではないですが日本と比べるとかなりボリュームがあるので、私はよほどお腹が空いているか、食べたいものがない限りよく2コースで注文しています。
さらにもっと少量でいいということであれば、主菜のみというのもありですし、前菜だけ、あるいはデザートだけというのも注文しようと思えばできないことはありません。
フランス料理の一般的なコース
フランス料理の店ではこの3コースから少し変わって、主菜とデザートの間にチーズコースが入ります。
- 前菜 Entrée
- 主菜 Plat Principal
- チーズコース Fromage
- デザート Dessert
モダンヨーロピアンなどのレストランではチーズコースがデザートメニューに統合されていることもあります。
イタリア料理の一般的なコース
イタリア料理の店では前菜が軽く、主菜の部分が2つに分かれます。
- 前菜 Antipasto
- プリモ(パスタなど)
- セコンド(肉や魚)
- デザート Dolce
パスタ+お肉などのセコンドというのは日本人にはちょっとヘビーかもしれませんね。そういうときは3コースに減らしても大丈夫です。
コースの給仕
料理はコースごとに運ばれてくる
各コースの皿はテーブルにいる人が一斉にそれぞれのコースを食べられるように運ばれてきます。ですから、いつまでも前菜を食べていると、他の人の主菜が永遠に出てこないということにもなりますのでこの点にも注意してください。食べきれなくて残す際には、フォークとナイフを揃えて置くなどして、ウェイターに食べ終わったとわかり安い状態しておいてください。
周りの人が何コース注文するかチェック
ビジネスの会食の場合などは、まず周りの人が何コース注文するつもりでいるかなんとなく聞いてみるがいいと思います。そうすると他の人と同じペースで食事をすることができます。もし聞くタイミングがなければ基本的に3コース食べるのだと思ってください。
デザートの注文は後でもOK
また、デザートを食べるかどうかは主菜を食べ終わった後に決めることが多いですので、基本的にデザートの注文は食事の前に決める必要はありません。決める必要があるのは3コースが値段の決まったセットメニューになっている場合のみです。
海外のレストランでのシェアについて
シェアに適さないレストランもある
ヨーロッパ系のレストランでは基本的に一皿は一人が食べることを前提に作られています。日本人はいろんなものを食べてみたいという好奇心からいくつか頼んで小皿でシェアしたいと思う人が多いようですが、シェアするのに不適切なものもあります。
もちろん日本の食事の仕方に理解のある外国人の方や、日本人だけのグループでカジュアルなレストランに行かれた場合など、何品か注文して小皿をもらってシェアするというのも可能ではあります。ただ、外国人は日本人より食べる量も多いことがよくありますし、またシェアすることに慣れていないと抵抗を感じる人もいます。
レストランや周りの人を尊重しよう
また、レストランの方も一人で食べることを前提に盛り付けしていることが多いので、それなりのレストランで外国人と食事をするのであればそのあたりを尊重して個人で注文されることをおすすめします。もし味見などされるのであれば、小皿に移してというのはなく、お皿ごと交換されるのがいいと思います。
デザートはシェアすることもある
ヨーロッパ人の間でもシェアすることがよくあるのはデザートです。こちらはお腹いっぱいだけどちょっと甘いものも食べたい!という場合にはスプーンを2つもらうなどすることもできます。
デザートを頼まないときは飲み物で合わせる
自分はお腹いっぱいでデザートを注文しない時、他の人がデザートを食べたそうだったら、このタイミングでお茶やコーヒーを注文してあげると、他の人がデザートを食べやすくなります。上記のように、テーブル全体で同じコースを食べるというのが食事を出すタイミングの前提になっていますから、自分だけが食べていて他の人が待っているというのが居心地悪く感じることがあります。よって、飲み物だけで注文してあげるとデザートを食べている人も気が楽です。
海外のレストランでのお会計の仕方
お会計はテーブルでというのが基本です。お会計をお願いする際には、
Check, please?
と言ってください。イギリスでは「チェック」という表現は通じますがあまり使いません。「ビル」の方が一般的です。
Could we have the bill please?
海外のレストランで食後の飲み物の頼み方
代表的なコーヒーの名前
さらにここでもう一つ、飲み物についての注意です。日本人は食後の飲み物を何にするかと聞かれると、単に「コーヒー」と答える人が多いです。でもほとんどのレストランが様々な種類のコーヒーを用意していますので、どのコーヒーなのかを指定する必要があります。
・アメリカーノ:ブラックかホワイト(ミルク入り)かも指定してくださいね!
・エスプレッソ
・ラテ
・カプチーノ
・フラットホワイト
・モカ
・フィルターコーヒー
など
国によってまちまちなコーヒーの名前
余談ですが、英語にはない「カフェ・クレーム」というコーヒーの表現が大陸ヨーロッパにはあります。私はよくフランスでこのコーヒーを注文するのですが、カフェラテに近いミルク入りコーヒーが出てきます。でも、この「カフェ・クレーム」をドイツで注文すると、ブラックコーヒーが出てきます。フランス人はミルクの泡をクリームと感じ、ドイツ人はコーヒーの泡をクリームと理解しているようです。ヨーロッパと一言で言っても、国によってコーヒーの解釈が少しずつ違うので、どれを頼むと自分の好みのコーヒーが出てくるか、何度か試してみる必要があるかもしれません。
ちなみにこれも冗談のような話ですが、イタリアで「ラテ」を注文すると「ミルク」のみになってしまうので、「カフェ・ラテ」を注文してくださいね。
スペイン料理のレストランでの注文の仕方
ヨーロッパ料理のレストランの中で一つだけ例外があります。それはスペイン料理の場合です。タパスと呼ばれるスタイルのスペイン料理は、日本の居酒屋のように小皿の料理をたくさん注文して、みんなでシェアして食べるというのが基本です。ですからタパスのお店に行かれた際には逆に独り占めしないで、みんなで料理をシェアしながらいただくようにしてくださいね。
「いただきます」に対応する英語はある?
最後に、英語には「いただきます」あたる言葉が存在しないため、フランス語の「めしあがれ」というこの表現を代用することが多いです。
Bon appetit!(ボナペティ!)
あえて英語で言うときは、「食事を楽しんで!」という言い方をすることが多いです。
Enjoy!
それではみなさん、お食事を楽しんでください。