イギリス観光といえば、ロンドンをイメージする人が多いと思います。でもイギリスには素敵な地方の町もたくさんあります。大学で有名なオックスフォードや、海辺の町ブライトンもよく知られていますね。どちらもロンドンから電車で1時間くらいで日帰り旅行や一泊二日旅行などでも行きやすいことが人気の理由です。
それ以外にも、イギリスには日本人にはあまり知られていない素敵な名所がたくさんあります。この記事では、イギリス在住17年の筆者が選ぶ、イギリスの地方旅行オススメの行き先をご紹介していきます。
イギリス観光地方おすすめスポット
まずは、日本人に人気のスタンダードなイギリス地方のおすすめスポットからご紹介していきます。
オックスフォード
オックスフォードはイギリスの南東部に位置し、世界的に有名な大学都市です。町全体を通してオックスフォード大学の建物が点在していて、中世からの歴史的な建物や美しい庭園を見ることができます。観光客は大学のキャンパスを散策したり、パンティングと呼ばれるボートで川沿いを楽しんだりすることもできます。
アシュモリアン博物館やピットリバーズ博物館など、文化や歴史に触れる場所も豊富です。また不思議の国のアリスやハリーポッターのゆかりの地を巡るのも楽しいですね。ロンドンから電車で40分ほどなので、日帰りでも楽しめますが、見所が豊富なので少なくとも1泊はされることをおすすめします。
ブライトン
ブライトンはイングランド南部の海岸に位置する都市で、美しい小石のビーチや賑やかな雰囲気で人気のある観光地です。ブライトン・ピアやブライトン・ドームなど、ヴィクトリア朝の建物が点在し、イギリスならではの歴史を感じることもできる一方で、個性的なショップやレストランも多くあり、お買い物を楽しむこともできます。
また、ブライトンはアートやカルチャーの拠点でもあり、ギャラリーやイベントも豊富にあります。ブライトンロックと呼ばれる金太郎飴が名物なので、ぜひブライトンに行った際には一つ購入してみてください。ちなみにブライトンはゲイにも優しいオープンな町として知られていますよ。
バース
バースは古代ローマ時代に遡る歴史を持つ都市で、バスという言葉の語源にもなった町だけあって浴場が有名です。ローマ時代の遺跡やジョージアン様式の建物が美しく残り、特にローマ浴場は訪れる価値があります。見学が専門の古代ローマ浴場とは別に、実際に入って楽しめるスパもあります。
バースは美しい街並みやバース・アビーなどの観光名所があり、またジェーン・オースティンのゆかりの地としても知られています。ジェーン・オースティン博物館は個人的にもおすすめです。またとてもセンスの良い町なので、アンティークや小物店などで掘り出し物を探すのも楽しいですよ。
ストラトフォードアポンエイボン
ストラトフォード・アポン・エイボンは、ウィリアム・シェークスピアの生まれ故郷として知られています。シェイクスピアの家など、シェークスピアゆかりの歴史的な建物や博物館があります。美しい川が流れる風光明媚な場所で、シェイクスピアの劇や文化に触れることができます。
カンタベリ
カンタベリーは、カンタベリー大聖堂があることで有名な都市です。この大聖堂はイギリス国教会の本拠地であり、中世の建築美や歴史的な重要性を持っています。また、市内には歴史的な建物や観光名所が点在し、カンタベリー物語やチョーサーの像なども見ることができます。
イギリス観光穴場の地方スポット
筆者は現地コーディネーターとして10年以上に渡ってテレビ番組や雑誌の取材のために、イギリスの地方都市を訪れてきました。国内でも特にイギリスの北部の地方都市にはあまり魅力的なイメージが定着しておらず、正直いうとあまり興味をそそられない出張もありました。
でも実際に行ってみて初めて面白いものや美しいものに出会うことが多々あり、実際に足を運んでいない人はそこにある素敵なものを知らないだけなのだと思うようになりました。実際イギリス人に地方旅行の話をすると、へえーと納得されることもよくあります。
というわけで、筆者が勝手に選んだ本当のイギリスを見たい人におすすめする地方スポットについても以下に挙げておきたいと思います。
リンカーン
リンカーンはイギリス東部に位置し、リンカーン大聖堂や中世のリンカーン城があります。大聖堂からの景色は本当に素晴らしく、城壁の上を散歩しながら歴史ある美しい景観を楽しむことができます。リンカーン大聖堂はイギリスに数ある大聖堂の中でも最も美しい建築の一つです。その向かいにあるリンカーン城には、みなさんも歴史の授業でおそらく聞いたことがあるマグナカルタの現存する4通のうち1つが収められています。
ウィザム川に架かるハイブリッジから大聖堂へと続く坂道は石畳で非常に趣深いながらも、その両サイドにはたくさんの可愛いお店が並んでいるのでショッピングも楽しむことができます。急な坂の途中で後ろを振り返って、煉瓦造りの建物や赤い屋根を見下ろしす美しい風景を楽しむのも忘れずに。
リンカーンには民間伝承で語り継がれるインプと呼ばれる悪霊がいます。悪霊といっても大聖堂内でやらかした悪戯の度が過ぎて、天使によって石に変えられてしまったというどこか愛嬌のあるキャラクターで、実際に大聖堂の柱の上にその姿を見ることができます。町にはこのインプをモチーフとしたお土産がたくさん売られているので、こちらもぜひチェックしてみてください。チーキーインプ(Cheeky Imp)というビールもありますよ。
バートン・オン・トレント
バートン・オン・トレントは、イングランド中部に位置し、ビール醸造で有名な町です。町全体に酵母のほんわかした甘い匂いが立ち込めているほど多くの蒸留所があって、ビール愛好家にとって非常に魅力的な場所です。ロンドンのパブでカムデン・ヘルを味わったくらいでイギリスのビールを満喫した気になっていてはいけません。本当のビール好きならバートンを訪れてビール工場を見学し、マイクロパブを梯子してビターの飲み比べをしてこそ、イギリスのビールの真髄を理解することができます。
バートンはイギリスのビールの半分を生産している町で、ビール博物館ではビール製造の歴史や過程を学ぶことができ、最後にはお楽しみの試飲もすることができます。私は元々ビールは冷たく冷やしたラガーを喉越しで味わいたいタイプでした。でもバートンを訪れてから、しっかりと味と風味を楽しむエールが大好きになってしまいました。ちなみにパンに塗るマーマイトの工場もバートンにあります。
シュルーズベリー
シュルーズベリーはイングランド西部に位置し、中世の街並みや歴史的な建物が魅力です。シュルーズベリー大聖堂やエリザベス朝時代の家々が見どころで、美しい川にそっての散歩道からの景観も楽しむことができます。でもそれ以上にシュルーズベリーはダーウィンゆかりの地としての魅力があります。
町の高台にあるシュルーズベリー・スクールはチャールズ・ダーウィンが学んだ学校で、セヴァン・サレン・スクールとして知られています。この学校はダーウィンの進化論のアイデアに影響を与えた場所の一つで、この学校から見下ろす景色は本当に最高です。町にはダーウィンの銅像があったり、動植物をモチーフとしたブティックホテルがあったりと、ダーウィンの足跡をぜひたどっていただきたい町です。
ストーク・オン・トレント
ストーク・オン・トレントは日本人にも馴染みの深いウェッジウッドの本社がある陶磁器の生産地として有名な町です。イギリスでは「ポッタリータウン」としても知られています。陶磁器メーカーが運営している陶磁器ミュージアムなどの博物館が複数あり、陶磁器の歴史や製造プロセスについて学ぶことができる他、有名ブランドの陶磁器を安く購入することもできます。
ノッティンガム
ノッティンガムは中部イングランドに位置する、ロビン・フッドの伝説で有名な都市です。ノッティンガム城は歴史的なお城で、中世の建築美を楽しむことができます。また、ノッティンガムはショッピングやエンターテイメントの面でも充実しており、ギャラリーや劇場も豊富です。またポール・スミスの故郷としても知られています。
ポーツマス
ポーツマスは南海岸に位置し、イギリス海軍の拠点として知られています。ポーツマス海軍基地内には歴史的な戦艦や博物館があり、海軍の歴史に触れることができます。どの博物館も素晴らしいスケールで、入る価値があります。またネルソン提督の船HMS Victoryも船が現役だった時代の雰囲気が残されていて、見学していて非常に興味深いアトラクションです。
また、町に点在するヴィクトリア朝時代の建物や美しい海岸線も魅力の一つです。海岸には少しドバイを思わせるようなモニュメントも建設され、その展望台から見下ろす眺めは格別です。
スウォンジー
ぜひ夏に訪れていただきたいのが、ウェールズの海沿いの町スウォンジーです。スウォンジーはウェールズ南部の海岸に位置し、美しいビーチや美しい自然景観が広がっています。ディラン・トマスやキャサリン・ゼタ=ジョーンズなど著名な人物ゆかりの地でもあります。
ウェールズに位置することから、イングランドの文化とも少し違っていて、ラバーブレッドと呼ばれる海苔のような海藻とザルガイの入ったブレクファストをぜひ食していただきたいです。可能であれば車を借りてマンブルズ・ピアに向かって海沿いをドライブしてください。天気が良ければ本当に爽快なのでおすすめです。
ニューカッスル
ニューカッスルはイングランド北東部に位置し、タイン川に面した都市です。ニューカッスル・アポン・タインとも呼ばれ、建築や文化の面で魅力的な要素があります。新旧の建物が調和する街並みや、タイン川に架かるタイン橋などが観光名所となっています。
また、ニューカッスルは活気のあるナイトライフやショッピングエリアも魅力の一つです。夜になると橋もライトアップされて見に出かけると綺麗ですし、イリギスで最も活発なナイトライフを味わえるのもこの街です。特にニューカッスルの女の子はジョーディーと呼ばれ、ファッションも気合が入っていますので注目してみてください。
まとめ
いかがでしたか?イギリスの地方、皆さんも行ってみたくなってきましたか?イギリス旅行はロンドン観光が全てではありません。ロンドンは世界中から集まった国際色豊かな人々や文化に触れ合う面白さがありますが、イギリスの地方に行くとまた違ったイギリス地元の人たちとの触れ合いがあります。日本もそうですが、田舎のイギリス人は本当にフレンドリーでいろんなことを語ってくれます。イギリスの歴史や何世代にも渡ってその地に暮らしてきた地元のイギリス人と触れ合うと、もっとイギリスのことを知ることができると思いますよ。ぜひ地方にも足を伸ばしてみてくださいね。