イギリスの大学や大学院への留学を考えている人にとって、大学選びはなかなか重要な課題ですよね。私自身も京都大学在学中のイギリスへの語学留学をきっかけに、イギリスの大学院への進学を決意しました。
大学院で勉強するという目的とは別に、当時の私はどうしてもロンドンで暮らしてみたくて、ロンドンの理系の名門大学であるインペリアルカレッジに留学しそこで理学修士号を取得しました。この記事ではイギリスの名門大学を挙げるとともに、私が出会ってきたイギリス人たちの意見や、私自身が訪れてみた感想なども踏まえて、留学先選びに役立ちそうなイギリスの大学情報をまとめてみたいと思います。
イギリスの名門大学
イギリスの名門大学といえばやはり、オックスフォード大学とケンブリッジ大学でしょう。二つをまとめてオックスブリッジということもありますが、日本でいう東大と京大のように甲乙つけがたいトップ大学の2つといえます。
友人がオックスフォードは京都で、ケンブリッジは奈良と言っていてなるほどと思ったのですが、確かにどちらも歴史があり趣深い大学町でありながら、オックスフォードの方が賑わいがあり、ケンブリッジの方が落ち着いた雰囲気という印象があります。
留学先選びということになると、もちろん学科によってどちらに申請するかを決めるということになるとは思いますが、個人的にはオックスフォードの方が好きな町です。京大在籍中の夏休みに語学留学をしていたこともありますし、その後テレビ番組の取材などでも何度も行くことがありましたが、由緒正しい伝統がありながらも若者が楽しめる町だと思います。
オックスフォード大学
オックスフォード大学は12世紀に設立された世界で最も古い大学の 1 つで、それぞれが独自のアイデンティティと伝統を持つカレッジの連合で構成されています。 幅広い分野をカバーする厳格な学術プログラムで知られており、大学の所属する研究者には世界有数の学者がいますし、また作家のオスカー・ワイルドや数学者のルイス・キャロルから、俳優のヒュー・グラントまで様々な著名人を排出しています。
ケンブリッジ大学
13世紀に設立されたケンブリッジ大学もオックスフォード同様に世界最古の大学の 1 つであり、カレッジの連合で構成されています。 優れた科学研究で知られ、数多くのノーベル賞受賞者を輩出してきました。 チャールズ・ダーウィンやアイザック・ニュートンの他、スティーブン・ホーキングやアラン・チューリングもケンブリッジ大学出身の科学者です。
2つの大学のライバル関係
この2つの大学は早稲田大学と慶應大学のようなライバル関係にありあげたりしたものに。特に毎年恒例のオックスフォード・ケンブリッジ・ボートレースなどのスポーツイベントでは激しいライバルとみなされており、両校の間には長年にわたる友好的なライバル関係が形成されています。
ロンドンの名門大学
オックスフォード大学、ケンブリッジ大学に続くイギリスの名門大学は全てロンドンにあります。以下に挙げる4つが、ロンドンにあるイギリスの名門大学になります。一般にオックスブリッジと比べて学費が多少安く、受験申請の締め切りが遅いのが特徴です。
インペリアルカレッジロンドン
例年オックスフォード、ケンブリッジと並んで、大学世界ランキングトップ10にランキングしているのがロンドンのサウスケンジントン地区にメインキャンパスを置くインペリアルカレッジロンドンです。日本ではあまり名前が知られていませんが、イギリスでは理系の名門大学として知られていて、アメリカでいうマサチューセッツ工科大学(MIT)のようなポジションの大学です。ちなみに私もここの卒業生です!
ロンドンの大学の中ではトップのポジションを持ちながらも、理系の大学であることからTOEFLの基準点が他の大学より多少低かったというのも、この大学を受験した理由でした(笑)。ご興味のある方はこちらの記事も合わせてご参照ください。
[blogcard url = “https://yuko.tv/study-abroad/”]
ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)
夏目漱石や伊藤博文など、現代日本の礎を築いた人々が留学していたのもこのUCLです。1826年に設立された UCL は、幅広い学術プログラムを提供しており、特に科学、社会科学、人文科学分野で知られています。ロンドンの中心地にありながら、非常に美しいキャンパスと図書館が個人的には印象的な大学だと思います。
キングスカレッジロンドン
1829年に設立され、さまざまな分野にわたる優れた教育と研究で知られる名門大学です。 テムズ川沿いに位置するキングス カレッジ ロンドンには豊かな歴史があり、フローレンス・ナイチンゲールやデズモンド ・ツツなどの著名な卒業生がいます。
ロンドンスクールオブエコノミクス(LSE)
社会科学、経済学、政治を専門とする有名な大学です。 1895年に設立されたLSEは、学術環境はもちろん社会経済研究への貢献で有名です。 同大学の卒業生には世界的指導者やノーベル賞受賞者が多数含まれており、その世界的な影響力と知的遺産を反映しています。
イギリスの地方の名門大学
私自身が留学先を選んだ当時は、ロンドンという街への憧れがとても強く、ロンドンの大学に行くことしか考えていなかったのですが、イギリス人の意見を聞いてみると、中国人ばかりのロンドンの大学に行くより、広々とした敷地のある総合大学でキャンパスライフを送る方がいいという人が多いように思います。
よって本格的なイギリスの大学生活を体験してみたいのであれば、イギリスの地方にある大学を狙う方が良いということになります。実際私の日本人の友人でも、地方の大学で勉強した子はイギリス人の友達が多いです。他の留学生と関わるのも貴重な体験ですが、イギリス人と多く接する地方の大学での方が、より早い英語の上達も期待できると言えます。
マンチェスター大学
1824年に遡る豊かな歴史を持つ名門大学です。イギリスの第3の都市でもあるマンチェスターにあります。 この大学は、科学、工学、人文科学、社会科学などの分野で知られています。
ブリストル大学
1876年に設立されたこの大学は、イギリス人が最も住みたい都市と言われるブリストルにキャンパスがあります。さまざまな分野にわたる質の高い教育と研究で知られています。
エディンバラ大学
1582年に設立された世界で最も古い大学の 1 つです。イギリスの大学ですが、イングランドではなくスコットランドの都市エディンバラに位置するこの大学は、特に医学、科学、文学、社会科学などの分野で知られています。
ちなみに同じくスコットランドにあるグラスゴー大学もエディンバラ大学と似たようなポジションの大学ですが、スコットランド訛りがエディンバラ以上にきつい地域でもあるので、様々な訛りの英語が苦手という人の留学はオススメしません。
イギリスの地方の有名大学
その他にもイギリス人の会話の中で人気が高いことが感じられる地方の大学をいくつかご紹介しておきます。以下の3つの大学は、教育内容だけではなく、住んでみても絶対楽しいだろうと思う都市にあることから、私が勝手にトップ3を選びました。
エクセター大学
エクセター大学は、イギリス人にも人気の観光地であるエクセターとコーンウォールにキャンパスを持っています。 気候変動、考古学、健康などの分野の研究で特に評価を得ている大学です。JKローリングの母校としても知られています。
ノッティンガム大学
ノッティンガム大学は、ノッティンガムだけではなく、中国、マレーシアにもキャンパスを持つ有名な世界的な研究機関です。デザイナーのポール・スミスの母校でもあります。ロビンフッド伝説の発祥の地でもあるこの町は見所も満載です。ノッティンガムの人は本当に気さくで優しいです。
リーズ大学
歴史的な趣のあるリーズの町にキャンパスがある赤レンガ造りの大学で、特に工学、ビジネス、社会科学などの分野で評価を得ています。
留学先選びで参照すべきリンク
タイムズ紙が毎年発表している世界大学ランキングがあります。私自身も留学先を選ぶときにはこのランキングを参考にして選びました。国ごとや学科ごとのランキングを検索することができるのですが、私が入学した前年は私の目指していた分野でインペリアルカレッジロンドンがトップだったので、そこに留学することにしたのです。
https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/2023/world-ranking
ちなみに東京大学は毎年30−40位前後、京都大学は50−60位前後にランキングしています。それと比べてみるとイギリスの名門大学はそれよりもだいぶ上であることがわかると思います。
でも大学を選ぶ基準は大学の名前やブランドだけではないと思います。それはやはり分野によって秀でている大学が違うからです。特に修士課程や博士課程での留学先を探しているのであれば、本当に自分が興味を持てる内容でなければ挫折してしまうかもしれません。
それから、せっかくイギリスに留学するのですから、住んでみて居心地が良い町がいいですよね。そういう意味で私のインペリアルカレッジロンドンでの生活は正直なかなか過酷なものだったので、そういう意味も込めてこの記事にはオススメの地方都市の大学なども書きました。
皆さんが良い留学先を見つけられることを祈っています!