コンテンツへスキップ

イギリス英語とアメリカ英語にはどんな違いがある?

    イギリス英語とアメリカ英語には、語彙、発音、スペル、さらには文法などにさまざまな違いがあります。日本の学校で教わる英語は基本的にアメリカ英語がベースなので、筆者自身もイギリスに来た当初はその違いを知らずにアメリカ英語の語彙や発音を真似てよく使っていたように思います。

    この記事では、イギリス英語のバイリンガルMCである筆者が、語彙、発音、スペル、文法それぞれにおいてイギリス英語とアメリカ英語の違いについてまとめています。イギリス英語とアメリカ英語では、話し手が与える印象も異なるので、英語を話す人たちにどんな風に聞こえるのかについてもぜひ参考にしてみてくださいね。

    イギリス英語とアメリカ英語はどう違う?

    イギリス英語とアメリカ英語はどちらも英語であることに間違いなく、言語としては共通の基盤を共有しています。でも英語ネイティブのはずのアメリカ人がイギリスにきて、「それって何?」と質問をするような場面にも遭遇してきました。それはスペル、語彙、文法、発音のそれぞれにおいて、イギリス英語とアメリカ英語にはそれなりに違いがあるからなんですね。

    語彙の違い

    まずは語彙の違いを見てみましょう。イギリス英語とアメリカ英語では、同じものを指すのに異なる単語を使用する例が数多くあります。 あまりにたくさんあるので挙げればキリがありませんが、私自身も普段の生活の中で使う単語を中心に対応表にしてみました。

    日本語イギリス英語アメリカ英語
    エレベーターLiftElevator
    マンションFlatApartment
    ガソリンPetrolGasoline
    なすAubergeneEgg plant
    携帯電話Mobile phoneCell phone
    クッキーBiscuitCookie
    QueueLine
    車のトランクBootTrunk
    ズボンTrousersPants
    サッカーFootballSoccer
    セーターJumperSweater
    高速道路MotorwayHighway
    ゴミRubbishGarbage
    トラックLorryTruck
    ポテトチップスCrispsChips
    テイクアウトTakeawayTakeout
    終止符Full stopPeriod

    日本語化している英語をみても、日本ではアメリカ英語の影響が強いことが見て取れると思います。上記のアメリカ英語はイギリス人に使っても理解してもらえないわけではありませんが、イギリスではあまり使われない単語という感じになります。

    発音の違い

    母音や強勢パターンの違いなど、発音にはバリエーションがあります。 たとえば、「スケジュール」は通常、アメリカ英語では「SKED-jool」、イギリス英語では「SHED-yool」と発音されます。

    日本語単語イギリス英語アメリカ英語
    お風呂bath/baθ//bæθ/
    car/kaː//kɑːr/
    帽子hat/hʌt//hæt/
    学ぶlearn/lɜːn//lɜːrn/
    スケジュールschedule/ʃɛdjuːl//skedʒuːl/
    トマトtomato/təˈmɑːtəʊ//təˈmaɪtoʊ/
    バターbutter/bʌʔə//bʌtər/
    レジャーleisure/ˈleɪʒə//ˈliːʒə/
    プライバシーprivacy/ˈpraɪvəsi//ˈprɪvaɪsi/
    論争controversy/ˌkɒntrʌˈvɜːrsi//ˌkɒntrəˈvɜːrsi/
    ビタミンvitamin/ˈvɪtəmɪn//ˈvaɪtəmɪn/
    広告advertisement/ˌədˈvɜːtɪsmənt//ˌædvərˈtaɪzmənt/
    ガレージgarage/ɡəˈrɑːʒ//ˈɡærɑːdʒ/
    ハーブherb/ˈhɜːb//hɜːrb/
    アルミニウムaluminium/ˌæljəˈmɪniəm//ˌæləˈmɪniəm/

    上記の表の発音記号の読み方がわからないという人は、こちらのページも参考にしてみてください。

    [blogcard url= “https://yuko.tv/international-phonetic-alphabet/”]

    日本の学校の英語の授業で教えられる英語の発音も基本的にアメリカ英語です。イギリス英語の正しい発音を習得したいという人は、是非英語の発音矯正コースを受講してみてくださいね。

    [blogcard url= “https://yuko.tv/pronunciation/”]

    スペルの違い

    語彙や発音が全く同じでも、イギリス英語とアメリカ英語では単語のスペル(綴り)が異なる場合もあります。よってワードなどで文書を作成する場合、自動のスペルチェックがイギリス英語、アメリカ英語どちらの設定になっているか確認する必要があります。また、英語のジャーナルなどに原稿を寄稿する場合などは、ジャーナルがどちらの英語を採用しているのかを確認し、指定の英語のスペルに統一して送信する必要があります。

    イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いにはどんなものがあるのか、以下に例を挙げてみます。イギリス英語では「ou」だったものがアメリカ英語では「o」になったり、イギリス英語で「re」だったものがアメリカ英語では「er」になったり、またイギリス英語で「ll」だったものがアメリカ英語では「l」になったりしていて、いくつかの傾向がわかれば注意する必要のある単語も予想が付くようになりますね。

    日本語イギリス英語アメリカ英語
    ColourColor
    好意FavourFavor
    名誉HonourHonor
    隣人NeighbourNeighbor
    中心CentreCenter
    繊維FibreFiber
    振る舞いBehaviourBehavior
    旅行TravellingTraveling
    キャンセルCancellationCancelation
    免許書LicenceLicense
    分析するAnalyseAnalyze
    組織するOrganiseOrganize
    記憶するMemoriseMemorize
    劇場TheatreTheater
    プログラムProgrammeProgram
    カタログCatalogueCatalog
    ジュエリーJewelleryJewelry

    文法の違い

    イギリス英語とアメリカ英語の文法規則は基本的に同じですが、用法にはいくつかの違いがあります。 その例の一つが集合名詞で、イギリス英語では「Team(チーム)」や「Government(政府)」などの集合名詞は主に複数として扱われますが、アメリカ英語では単数として扱われることもあります。例えば、イギリス英語では「The team are good.」とされる表現が、アメリカ英語では「The team is good.」となるといった具合です。同様にイギリスでは「The band are playing.」という表現がアメリカでは「The band is playing.」となることもあります。

    また、イギリスとアメリカで使われる前置詞が違う場合もあります。例えば、イギリス英語で「at the weekend(週末に)」とされる表現が、アメリカ英語では「on the weekend 」となったりします。

    さらに、イギリス英語とアメリカ英語では助動詞の使い方が違う場合があります。例えば、イギリス英語では「 I shall go to the shop.」という表現を、アメリカ英語では「I will go to the store.」という表現が好まれることがあります。

    イギリス英語が与える印象

    みなさんは、映画「ラブアクチュアリ」でイギリス人の男の子がアメリカに行き、イギリス英語を絶賛されてモテたシーンを覚えていらっしゃるでしょうか?日本で教わる英語の多くはアメリカ英語ですが、イギリス英語を話せるようになるとちょっと特別な印象を与えることができるかもしれません。

    以下は主観的なものになりますが、アメリカ英語と比べてイギリス英語が与える印象についていくつか挙げておきたいと思います。

    フォーマルな印象

    イギリス英語は、一般的なアメリカ英語の発音と比較して、より形式的で洗練されたものとして認識されることがよくあります。 「Could you please (お願いします)」、「Thank you ever so much(ありがとう)」、「 Pardon(ご容赦ください)」などの表現を使うと、そういった印象がさらに高まるかもしれません。

    礼儀正しさ

    イギリス英語とは礼儀正しさを強調する丁寧な言葉使いと関連付けられることがよくあります。 例えば、「Please excuse me(すみません)」「I’m terribly sorry(大変申し訳ありません)」「If you don’t mind(よろしければ)」などのフレーズがイギリスっぽい礼儀正しい表現と言えます。

    Received Pronunciation (RP)

    BBCのニュースなどでも使われる英語は、Received Pronunciation(RP) として知られる伝統的なイギリス英語の発音です。このイギリス英語の発音は日本語の標準語に相当するもので、標準的かつ中立的な発音であると考えられており、権威や教育水準が高い印象を与えることができます。イギリス英語のRPを学びたい方はぜひ発音矯正コースを受講してくださいね!

    [blogcard url = “https://yuko.tv/pronunciation/”]

    上品さ

    日本でもクイーンズイングリッシュなどとして知られるイギリス英語のアクセントは、舌先を使った子音の強い発音で、伝統的に上流階級や貴族の間で話されてきたイギリス英語の発音です。よってイギリス英語を話すと上品または洗練された高貴な印象を与えることができます。

    ユーモア

    イギリス英語は機知とユーモアに富んでいることで有名で、イギリスの慣用句や皮肉などをうまく使いこなせると、英語圏でのコミュニケーションを円滑に進めることができます。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか?イギリス英語とアメリカ英語の違いについて、スペル、語彙、発音、文法の4つの観点から比較してみました。イギリスに住んで日々英語を使っていると、私自身あまり意識しなくなっていましたが、違いは結構ありますね。

    イギリス英語に慣れてしまっているせいか、日本語に訳してみてカタカナ英語にしてみると余計にその違いを感じるなという印象もあります。翻訳者を目指している人などは、イギリス英語のニュアンスがカタカナ英語と違うこともあるので注意しておくと良いと思います。