英語のLとRの発音の違い

英語のLとRの発音

英語のLとRの聞き分け方と発音の仕方

日本人の英語の発音矯正のために、「l」と「r」の発音を避けて通るわけには行きません。皆さんは英語の「l」と「r」の音の違いを聞き分けることができますか?また、発音仕分けることはできますか?

日本人にとってはほとんど同じように聞こえる音ですが、ネイティブにとってこの2つの子音は全く異なる音です。発音するときの口の動きも異なることから、例えば日本語で「カ」と「サ」が異なる音である、というくらい違って聞こえる音なのです!

英語の「l」と「r」の発音の違いを聞き分ける

それでいながら、私たち日本人には同じ音のように聞こえます。例えば、「restless」という単語に出てくる「l」と「r」は、「レストレス」とどちらも日本語の「ラ行」 の子音に聞こえ、「relentless」もまた、「レレントレス」と全て「ラ行」の子音として私たちの脳に響きます。

脳の発達過程で削除された情報ネットーワーク

これは人間の脳の発達と非常に深く関係しています。人間の脳は生まれてから2歳頃までに、様々な情報ネットーワークを発展させますが、その後、情報処理を効率化させるために必要のないネットーワークを削除していきます。日本語ネイティブに囲まれて育った子供は、2歳頃までは「l」と「r」を区別することのできる脳を持っていますが、その後日本語では区別されないこの2つの音に関する情報は必要のないものとして消し去られてしまうのです。

私は18歳で初めてイギリスに語学留学し、京都大学在学中の夏休みの多くをイギリスで過ごし、22歳のときにイギリスの大学院留学のために渡英して以来、10年以上に渡ってイギリスで働き、イギリス人のパートナーと暮らしていますが、実は「l」と「r」の違いを純粋に聞き分けることは出来ません。リスニングで困ることはほとんどありませんし、訓練の成果として発音し分けることもできるので、ネイティブに2つの違いがわからないというと驚かれるのですが、ものすごく注意深く聞かない限り自然には区別できないのです。

語彙がわかれば文脈から判断できる

知っている単語であれば、ほとんどの場合文脈から判断することが出来ます。例えば「long(長い)」と「wrong(間違った)」が文脈上紛らわしい使われ方をすることはほとんどないので、注意深く発音を聞かなくても意味としては頭に入ってきます。文法的に違う要素の単語であれば、もっと簡単です。さらに言えば「l」と「r」両方の可能性を比較し、より適切な方をとるということもできます。最初はその情報処理に時間がかかるかもしれませんが、慣れてくれば問題になることはありません。

新出単語は綴りを見て確認する

困るのは固有名詞など「l」と「r」が入った新しい単語が会話に出てきたときです。イギリスに「ロングリート」というサファリパークがあるのですが、初めてこの地名を聞いたとき、私はこの発音を正確に繰り返すことができませんでした。私の脳では「ロ」と「リ」として処理されたこの単語に出てくる「ラ行」の音が「l」なのか「r」を、正しく発音仕分けるためには綴りを見て確かめる必要があったのです。

一度「longleat」という綴りを知れば、この単語を発音することは難しくありません。どちらも「l」の音の口の動きを作って発音すればいいことがわかったからです。でも初めて聞く単語を、純粋に耳で聞いて「l」と「r」を区別できるかといわれると、答えはノーなのです。

英語のネイティブは「ラ行」を発音できない

逆にいうと、英語のネイティブは日本語の「ラリルレロ」を正しく発音することができません。なぜかというと、彼らの脳の情報ネットワークには「l」と「r」の発音はあっても、そのどちらでもない日本語の「ラ行」の子音にあたる音がないからです。よって、彼らが日本語の「ラリルレロ」を聞いたとき、彼らは「l」か「r」の音どちらかに当てはめて情報処理しようとします。

大抵の場合彼らは「l」として受け止めるようです。日本語の「ラ行」の音は「l」の発音の口の動きにより似ているからです。でも彼らが「l」を使って「ラリルレロ」を発音すると、日本語ネイティブの私たちにとっては少し違和感のある音になります。このように、自分の母国語の音に当てはめて外国語の音を処理しようとするのは、日本人に限らず人間の脳の情報プロセスの性質と言えます。

「l」の音と「r」の音

/l/の発音

BBC Leaning Englishのページに綺麗なRPで/l/を発音しているビデオがあるので、この音を真似てみると良いと思います。

/r/の発音

BBC Leaning Englishのページの/r/の発音のビデオはこちらです。

英語の「l」と「r」を発音し分ける

日本人がこの2つの音を混同するのには理由があります。それは2つの子音が音声学的に同じ分類に区分されることがあるように、似たような特徴を持つ音でもあるからです。

「l」と「r」に共通する特徴

「l」と「r」は両方とも、有声音と呼ばれる子音の部類に区分されます。肺から送られた呼気が喉を通る時に声帯を振動させて出る音です。また、両方とも接近音と呼ばれる音ですので、子音と母音の間の音という位置付けになります。母音と子音の違いは、肺から送られた息を口の中のどこでも妨害されずに作るおと、あるいは口の中のどこかで妨害して作る音という点ですから、その間の近接音は口の中で作られる妨害の程度が他の子音よりも緩やかです。

「l」と「r」の舌の位置の違い

ではなぜこの2つの音は違うと言われるのでしょう?この2つの子音の決定的な違いは、発音するときの舌の位置です。

「l」の音の発音のポイント

まず「l」を発音するときは、上顎の歯茎と歯の間のアルビオラーリッジと呼ばれる部分に舌の先端を当てて舌の中央に閉鎖を作り、舌の両脇から空気を通すことによって音を出します。英語にも様々な訛りがありますが、アメリカ英語とイギリス英語では舌の当たり方の度合いが少し異なります。イギリス英語のほうが軽くあたり、アルビオラーリッジに触れている面積が少ないイメージになります。ただ、英語の「l」の発音は、アルビオラーリッジに舌が接触するというのが絶対条件です。

「r」の音の発音のポイント

一方「r」の発音ですが、こちらは舌を上顎の歯茎と歯の間のアルビオラーリッジと呼ばれる部分に接近させるところまでは似ていますが、接触はさせません。上顎と舌の間には隙間が残ります。舌がアルビオラーリッジの少し舌の離れたところから、舌を下側に向けて振り下ろすことで発音します。「r」の発音はよく「巻き舌」と表現されますが、舌を下から上に向かって巻き上げるのではなく、上に持ち上げたところから下に向かって振り下ろすイメージをするとうまく発音できます。

まとめ

最初に書いた通り、私たち日本人の脳はなかなかこの2つの子音の音の違いを自然に理解することができません。ですから、最初は違和感があるように感じても、意識して発音し分けることで、だんだんと綺麗に発音できるようになっていきます。また発音の違いを意識すると、ある単語を聞いたときに、「l」なのか「r」なのか、知識として理解できるようになっていきます。

リスニングでは文脈で判断できても、ネイティブにとっては明らかに違う音ですから、スピーキングでは間違って発音すると理解してもらえないこともよくあります。普段から違いを意識するようにしてみてくださいね。

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