海外に拠点を置き、語学力や文化的知識を利用してさまざまなビジネスをサポートする海外コーディネーターはとても魅力的なお仕事です。でも実際に海外コーディネーターになるのはどうすればよいのでしょうか?
まずは、海外コーディネーターの仕事を理解し、必要なスキルを身につけ、それから仕事を見つける方法を知る必要があります。
この記事では、イギリスロンドンを拠点に現地コーディネーターのお仕事をしている筆者が、コーディネーターになるためにやったこと、コーディネーターの仕事で必要と感じるスキルなどを、経験を踏まえてお話ししていきます。海外コーディネーターを目指す人の役に立ちそうな情報を提供していますので、最後まで読んでくださいね。
本気で海外コーディネーターになりたい人のために講座も開講しています。個人のレベルや状況に合わせた個別コーチングも行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
海外コーディネーターになるには?
海外コーディネーターとは?
海外コーディネーターになるためには、まずはコーディネーターの仕事にはどのようなものがあるのかを知っていただく必要があります。
実際のところ、「海外コーディネーター」と一言で言っても、さまざまなタイプのものが存在します。具体的な例としては、海外での取材や撮影、海外の企業や団体の視察、国際会議への参加サポート、国際見本市への出典のサポート、企業の海外進出のお手伝いや、国際コラボレーションの仲介役などがあります。
筆者は主にテレビや雑誌の海外での取材や撮影、インタビューといった業種のコーディネーターをやっていますが、これまでに視察や国際会議のアテンドなどの仕事もたくさん経験させていただきました。
海外コーディネーターの仕事については以下の記事に詳しく載せていますので、合わせてご参照ください。
[blogcard url = “https://yuko.tv/the-role-of-coordinator/”]
海外コーディネーターのワークスタイル
海外コーディネーターの多くはフリーランスとして仕事をしています。筆者自身もフリーランスです。地の利を生かしてさまざまなクライアントさんのサポートをする仕事ですので、ある国や地域に拠点をおいて、その場所でビジネスをするお客様を受け入れる形で業務を進めていくことになります。
コーディネーターの仕事は、業務委託をいただき、イベントや取材、撮影などの日までにお客様のニーズに合わせたプランニングをし、クライアントさんを現地で受け入れ、空港送迎から食事対応、通訳アテンドなどをこなし、業務に使った第三者事業者との精算などのお手伝いをして終了という流れになります。
お客様が現地入りされるまで、あるいは特定のイベントの日程までは基本的にオフィスで仕事をしていますが、イベントや受け入れの当日には外の現場に出るというスタイルになります。
コーディネーターはたくさん旅行ができる?
海外コーディネーターを目指す人には旅行好きの人も多いと思います。筆者自身もそれに該当します。結論から言うと、コーディネーターをしていたおかげで、これまでに世界25カ国以上の現場でお仕事をさせていただいてきました。
ただ一つ注意しておいていただきたいのは、海外コーディネーターはどちらかというと「受け入れる」側の仕事であると言うことです。筆者は幸運にもいつもお世話になっている放送局などのクライアントさんからのご依頼で、居住国であるイギリス以外の国での出張の際も声をかけていただいてきました。
でもコーディネーターの中にはその人の居住国や地域に限定したお仕事をされている方もいます。どのようなタイプのクライアントさんをターゲットとしているかによっても旅行ができるかどうかということが変わってくるかもしれません。
とはいえ、一つの国を拠点としていたとしても、地方に行ったり、さまざまな分野の人々と出会ったりする、旅行好きにとって非常に魅力的なお仕事であることには間違いありません!
コーディネーターに必要なスキル
コーディネーターの仕事は、本当にさまざまな業界や分野に及ぶため、具体的な業務委託によって求められるスキルや経験はかなり異なると言うのが実情です。どのような仕事をするにしても共通の海外コーディネーターに必要なスキルとしては、以下のようなものが挙げられます。さまざまな依頼に対応できるように、普段から幅広く見聞を広げておくのもポイントと言えるでしょう。
語学とコミュニケーションスキル
まずなんと言っても、仕事を受ける国の言語スキルは必ず持っていなければいけないものです。プランニングの際の交渉や法的な文書の作成なども業務範囲ですので、ビジネスレベル以上の語学力は必ず必要です。現場でアテンドする際には、通訳を勤めなければいけませんので、逐次通訳ができるレベルの語学力が求められます。
さらに、コーディネーターは異なる文化の間に立って業務を円滑に進める橋渡しとなる仕事です。言語力だけではなく、その国の文化を理解した上で、スムーズなビジネスができるように、人と人を繋ぐコミュニケーション能力も持っている必要があると言えます。
居住国についての知識
自分が仕事を受ける国や地域の衣食住など基本的な知識については、お客さんに説明することができるようになっておきたいものです。特に日本人のクライアントさんは食に対する期待値が高いので、その地域の食について詳しいとコーディネーターとして重宝される傾向にあります。
さらに、基本的な法律や税制、その時話題になっている時事問題などについても把握しておくようにしましょう。コーディネーターの仕事は第三者事業者との契約を交わしたり、アシスタントを雇ったりということにも及びますので、委託業務と関連するビジネスに必要とされる法律などはすぐに調べられるようにしておくと良いと思います。
プランニングスキル
先ほども言及したように、コーディネーターの仕事にはプランニングと現場オペレーションの2つのステージがあります。うまくプランニングができていれば、現場でのオペレーションがよりスムーズになります。
さらにプランニングのスキルに加えて、現場で何が必要とされるのかをあらかじめ想定する想像力も必要です。コーディネーターの仕事は要求されるものが異なるため、うまく想像力を働かせて、現場でクライアントさんのニーズを満たすことができるように計画できると良いですね。
リサーチスキル
人やもの、情報を探すリサーチスキルは、コーディネーターの仕事をする上で非常に大切です。多岐にわたる業務委託の中でも、クライアントさんの求めるものを見つけ、交渉して手に入れて来られるように、普段から情報網を貼っておくと役に立ちます。また、ネット上の情報リサーチスキルを磨いておきましょう。
柔軟性と忍耐力
海外コーディネーターの仕事は、もちろん綿密なプランニングの上で行うのですが、それでも予測できない状況に対処することを求められることが多いのも特徴です。よって忍耐強さと柔軟性が必要な仕事であると言えます。
予測できない状況というのは、アポをとっていた相手の急なキャンセルから、飛行機の遅延までさまざまなものがあります。その時の状況と利用可能なリソースを駆使し、落ち着いてできる限りの対応ができるような精神力が常に必要とされています。
海外コーディネーターに向いている人
では、コーディネーターに向いている人はどんな人なのでしょう?
旅が好きな人
筆者は海外コーディネーターとして、これまでに世界25カ国以上の現場に出張してきました。イギリスロンドンを拠点として生活しながら、ドイツやフランスなどヨーロッパの国々はもちろん、いろんなご縁あってブラジルやロシア、ドバイやカタールなどにも行かせていただきました。
海外旅行が好きな人なら、旅費や宿泊費はもちろん、お金をもらって世界のいろんな国を旅できるなんてラッキーですよね。しかもコーディネーターとして現地に行くと、現地の人と一緒に仕事をするため、観光旅行ではみられない旅先の国を見ることができます。
コミュニケーションが好きな人
語学が得意な人や、言語を学ぶのが好きな人がコーディネーターに向いていることは間違いありません。筆者はそれほど語学が好きというわけではなかったので、英語以外の言語はフランス語がちょっとできる程度ですが、お仕事でお会いする同業者の先輩方の中には、4ヶ国語5ヶ国語をお話になって活躍している方もいらっしゃいます。
さらに、コーディネーターの仕事には交渉や文化間の架け橋になるという側面がありますので、人と話をするのが好きな人や、人と人をつなぐのが好きな人など、語学に限らずコミュニケーションスキル一般に長けている人がコーディネーターに向いていると言えます。
お世話付きの人
海外コーディネーターの仕事には、クライアントさんの「お世話をする」という側面があります。ステージ通訳や著名人の代行インタビューをこなしたりする一方で、現地のレストランの予約や、メニューの見方やオーダーのサポートといった仕事もしなければいけません。よってお世話付きの人はコーディネーターに向いているということになります。
プランニングが上手い人
クライアントさんから幅広い発注を受けて対応していくコーディネーターの仕事には様々なハプニングがつきものです。綿密なスケジュールやロジスティクスを組むプランニング力はもちろん、実際の現場で要求されるものがなんなのかを先回りして考える想像力も必要になります。
さらに、どれだけしっかりとプランニングしても飛行機の遅延や天候不順などの事態には対応せざるを得なくなるのも事実です。そんな時に、プランBだけではなく、プランDくらいまでのシナリオ想定ごとの計画を持っていることで、ビジネスの不可能を可能にするコーディネーターになることができます。
でも、ここに書いた全てのタイプに当てはまる必要はありません。コーディネーターの仕事には本当にさまざまなものが存在しますから、自分の強みを生かした仕事を取れるようになれば、自分の得意な種類の仕事にフォーカスして収入を得られるようになります。
海外コーディネーターになるためにやるべきこと
経験を積む
コーディネーターの仕事は資格があったり、会社に入って下積みをしたりしてなれる職業というわけではありません。対応しなければいけないタスクの幅が広いために、大学や専門学校などの既存のスクールで学んでできるようになるというものでもないというのが実情です。
よって、何かのきっかけを掴み、現場の経験を積むことでなれるという側面が強いように思います。筆者自身、最初はたまたまインターネット広告で見たアシスタントの仕事をさせていただいたことがきっかけで海外コーディネーターの仕事をするようになりました。
インターンシップやアシスタント、ボランティアでも構わないので、海外の現場の仕事をやってみるのが一番の近道と言えます。海外での実務経験を積むことで、異文化の間に立って仕事をするということがどういうことなのかを理解し、国際的な環境でのコミュニケーションスキルを向上させることができます。
それでも、下積みをするのをショートカットして、すぐに海外コーディネーターとして活躍したい人は、海外コーディネーター養成講座を受講してください。現場で必要とされるノウハウを短期集中で習得することができます。
ネットワーキング
上記にも述べたような理由から、海外コーディネーターとして働くためにはコネクションを持っていることがかなりのキーとなってきます。コーディネーターを必要とする関連業界や国際コミュニティでのつながりを築くことで、仕事につながる情報を掴みやすくすることができます。
海外コーディネーターの仕事は、観光、イベント管理、国際ビジネス、外交などさまざまな分野で見つかります。現地の求人情報をリサーチし、求人サイトや業界固有のウェブサイトで仕事を探してみましょう。そのほかにも、旅行会社や制作会社などにコンタクトを取ってみると、アシスタントのポジションなどでオファーをもらえる可能性が高まります。
自己ブランディング
上記のような方法で少し経験を積むことができたら、経歴などを踏まえてポートフォリオやウェブサイトを通してアピールするのも仕事につなげる良い方法です。筆者自身、このサイトからお仕事依頼をいただくこともよくあります。
さらに、一度お仕事をいただいたクライアントさんからリピートをいただけることも多いので、一度お仕事させていただいたお客様とはコンタクトを続けられると良いですね。
専門分野を持つ
コーディネーターの仕事は多様で、さまざまな業界で活躍の場があります。よって自分の強い分野というのを持つと他のコーディネーターとの差別化をはかることもできます。筆者の場合は、放送業界や映像業界のコーディネートを得意としていますが、制作現場でのコーディネーションだけでなく、放送業界の国際会議や視察のお手伝いをするという形のお仕事も発生します。
でも国によってはコーディネートのお仕事そのものの数が少なかったり、ライバルとなるコーディネーターの数が多かったりすることもあるので、分野は絞りすぎず、幅広く対応できる方がチャンスが広がるとも言えます。最初は、さまざまな業界のコーディネーターにチャレンジして、自分にあったものを見つけていけると良いですね。
海外コーディネーターになるためのコーチング
海外コーディネーターの職種は多岐にわたり、異なる分野や業界で異なる要求があるため、自分の興味や専門知識に合わせて進路を検討し、それに合わせてスキルと経験を積むことが必要です。筆者自身、コーディネーターになりたての頃は、その業務範囲の広さに「コーディネーターって一体何?」という疑問をよく持っていました。
でもそれゆえに、海外コーディネータという仕事は、自分の持ち味を生かしたチャンスもやりがいもある仕事なのです。
本気で海外コーディネーターになりたい人のためには、個別のコーチングも行っています。ご興味のある方は、ご自身の現状についての詳細と合わせて、お問い合わせページよりお気軽にお問い合わせください。