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AIで英語プレゼン原稿を作成してみた

    AIを使って仕事を効率化することは今となってはもう常識。翻訳や文章作成にAIはもうかなり使われていますが、英語のプレゼン原稿の作成にもAIを使うことはできるのでしょうか?

    筆者はイギリスの博士課程で教育テクノロジーを専攻する学生ママです。セミナーや会議などで自分の研究についてのプレゼンをしなければならないのですが、学業と家事と仕事の間でとにかく時間がありません。AIに頼れるなら頼りたいということでChatGPTを使って実際にやってみました。

    結論から言うと効率が上がったとは思いませんが、プレゼンのクオリティは上がったと思います!というわけで、この記事ではAIを使ってクオリティの高い英語プレゼン原稿を作成する方法と編集のポイントについてご紹介したいと思います。

    AIで英語プレゼン原稿を作成する方法

    内容を整理する

    当然ながらプレゼンには伝えたい内容があってやるものなので、その内容の部分は自分で考えなければいけません。また、全体の構成の仕方をChatGPTに聞いてみるのもありですが、正直なところこの部分は自分でやった方が早いという結論に至りました。

    よってスライド一枚ごとに伝えたいテーマと簡単な内容を整理しながら、内容を整理して構成を考えていきます。私はたいていCanvaでスライドを作っていますが、ビジュアルを作りながらそのメモ欄に絶対に伝えなければいけない内容を盛り込みながら書いていくと、頭の中が整理されやすくてスムーズに作業ができます。

    英語が苦手なら日本語で概要スクリプトを書く

    英語が得意な人なら、元になるプレゼン原稿を書くのも良いと思いますが、もしも英語が苦手、英語で文章を書くのが遅いという人であれば、日本語で概要スクリプトをさくっと書いてしまいましょう。

    ここでプレゼンに適した文章になっている必要はありません。伝えたい内容が箇条書きになって全て網羅されていれば十分です。プレゼン原稿の冒頭部分を例としてご紹介しておきましょう。

    皆さん、おはようございます。 セミナーにご参加いただきありがとうございます。 今朝は、Mixed Reality テクノロジーとそのデータ分析への応用についての研究についてプレゼンをさせていただきます。そのようなテクノロジーは単なるギミックだ、真剣な取り組みよりもエンターテイメントに適している、と考える方もいるかもしれません。 というわけで、プレゼンテーションの後には、皆さんに Mixed Reality 環境下でのデータ分析を直接体験していただき、その有用性をご自身で判断していただきたいと思います。

    Google 翻訳にかける

    日本語で書いたスクリプトをとGoogle翻訳にかけて英語に訳出します。ここで英語のあきらかな間違いなどがあればチェックしておきましょう。そのほうが後々の作業が楽になります。

    現段階においてAIと仕事をするというのは、常に少しずつのミスを訂正していく作業でもあると思うので、この辺りはまだ手間がかかりますが地道にやっていくしかないのかもしれませんが、上記の文をGoogle翻訳にかけた英文は以下です。かなり完璧に訳されてますね(笑)。このままで進めてよさそうです。

    Good morning, ladies and gentlemen. Thank you for participating in the seminar. This morning, I will be presenting my research on mixed reality technology and its application to data analysis. Some may think that such technology is just a gimmick, better suited for entertainment than serious endeavors. So, after the presentation, I would like to invite you to experience data analysis in a mixed reality environment firsthand and judge its usefulness for yourself.

    ChatGPTにトーンの指示を出す

    英語のスクリプトが出来上がってきたら、今度はChatGPTに原稿の編集作業をお願いします。どのようなプレゼン原稿にして欲しいのかをプロンプトとして指示を出します。

    この際注意すべきなのは、プロンプトの入れ方によってかなりアウトプットが変わるという点です。私は今回アカデミックなプレゼン原稿を作成するのに使いますが、ビジネスのプレゼン原稿なのか、結婚式などのスピーチ原稿なのかなど、場や目的に合わせたプロンプトを入れる必要があります。

    ChatGPTに「Please make the following script more engaging and clear for a presentation? “ーーー元原稿ーーー”」と指示を出してみると、こんな原稿になりました。

    Good morning, everyone! Thank you all for being here today. I’m excited to dive into my research on mixed reality technology and its role in data analysis. Now, some folks might brush off this tech as just a fancy distraction, more for fun than anything serious. But stick around! After my presentation, I’m inviting each of you to step into the world of mixed reality and see for yourselves how it can revolutionise data analysis.

    スクリプトとしては悪くないですが、これだと大学のセミナーでお話しさせてちょっとカジュアルすぎるというのが印象です。よってプロンプトをちょっと変えてみる必要がありそうです。

    ChatGPTに「Please make the following script more engaging, clear, and appropriate for a presentation at the university?」と指示を出してみると、こんな原稿になりました。

    Good morning, esteemed colleagues and fellow researchers. I extend my sincere gratitude to each of you for joining us today. I am thrilled to share with you my latest research focusing on the integration of mixed reality technology into the realm of data analysis.

    Now, I understand there may be skepticism surrounding the practicality of mixed reality in serious academic pursuits. Some might even dismiss it as mere entertainment rather than a valuable tool for scholarly endeavours. However, I urge you to keep an open mind. Following my presentation, I cordially invite you to immerse yourselves in a mixed reality environment and witness firsthand how it can enhance the process of data analysis.

    ちょっと硬いですが、もう少しフォーマルな印象になりました。また語彙の幅が広がっているので、自分で編集する際にも選択肢が増えたのがいいなと思います。

    AIで作成した英語プレゼン原稿の編集ポイント

    上記のようなわけで、なかなかパーフェクトなプレゼン原稿が一回で上がってくるわけではないのですが、AIが作成した原稿を使うことで、自分の語彙や表現力を超えたプレゼンはできるようになります。その際に以下の点については必ず個別にチェックしておきましょう。

    事実や論理関係が間違っていないかチェック

    プレゼン全体をAIで編集していくと、似たような表現重なっていたり、繰り返しになったりする文章において、論理関係が曖昧になってしまっている文章が見受けられました。伝えたい事実や論理関係に誤りがないかは必ず一つ一つチェックしておきたい部分です。

    書き言葉になりすぎていないかをチェック

    AIに指示を出す中で、カジュアルになりすぎるのも困りますが、硬すぎる表現になりがちという傾向も感じました。書き言葉としては非常に豊かな表現が使われていて良いのですが、プレゼンは人の前で人間が話すわけですから、プレゼンの対象である聴衆にあったトーンを見つける必要があります。

    私もChatGPTに出す指示のキーワードを変えて4パターンほどを作成して、その中からそれぞれのパラグラフで一番しっくりくる文章を選びました。

    自分が声を出して読みやすいかどうかチェック

    AIは私たちより賢いので、凝った言い回しを使って面白い表現を作ってくれます。でも自分が普段使わないような言い回しの原稿を元にプレゼンをすると、スムーズに読めなかったり覚えられなかったりというトラブルの元になります。自分が声に出してみてしっくりくる表現だけを選んで使うと良いですね。

    上記の例文に関して、最終的に私が使うことにした表現は以下のとおりです。

    Good morning, everyone. Thank you very much for attending this seminar. This morning, I’m thrilled to give you a presentation on our research, which delves into the captivating realm of Mixed Reality technology and its application in data analysis.

    Well, you might consider such technology as a mere gimmick. It’s better suited for entertainment than serious endeavours. So I assure you, after my presentation, you’ll have first-hand experience with data analysis in a Mixed Reality environment, and you’ll be empowered to judge its utility for yourself.

    AIで英語プレゼン原稿を作成した感想

    プロンプトの書き方が難しい

    ちょうど良いトーンの原稿を作成するためのプロンプトを書くのがなかなか難しいというのが正直な感想です。何度かことなる指示をトライして、できた原稿を照らし合わせてベストなものを選ぶという作業になってしまったため、結局のところ効率が良くなったとは思いませんが、最終的にできたものクオリティは自分が手書きした英語原稿よりは間違いなく上です。

    AI作成の原稿は完璧ではない

    どんなAI技術でもそうですが、やはり完璧ではなく、特にコミュニケーションという非常に人間的な要素を含むプレゼン原稿にその技術を使うわけですから、手作業は免れないのかもしれません。

    英語に自信のない方で、最終的な人間チェックをかけたいという人はお問い合わせページよりいつでもご連絡くださいね!バイリンガルMCで企業様ともお仕事している筆者がお手伝いさせていただきます。