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英語のプレゼンが上達する方法

    この記事では、日本語が母国語である筆者がイギリスでテレビのコメンテーターやバイリンガルMCとして活動できるようになるまでに学んだパブリックスピーキングのスキルについてお話ししていきます。

    パブリックスピーキングは、人前で行うスピーチやプレゼンテーションなどのことを指し、ビジネスやアカデミックな場において求められる重要なコミュニケーションスキルの一つです。でもそれを母国語でない英語で行うとなるとちょっと難しい気がしますよね。

    分野を問わず、英語で人前に出て話をするということに共通するスキルですので、イベントの英語司会や単発のスピーチを頼まれたという方も是非参考にしてみてくださいね。

    英語のプレゼンとは?

    パブリックスピーキングとは?

    そもそも、パブリックスピーキングとはなんなのでしょうか?パブリックスピーキングとは、一般的には公の場で行われるスピーチやプレゼンテーションのことを指します。これは、一人以上の聴衆や観客の前で行われるミーティングや演説などのコミュニケーションの形式で、小さな規模のものも含みます。

    パブリックスピーキングは、さまざまな目的や環境で使われるスキルです。ビジネス環境では、会議やプレゼンテーション、セミナーや研修などで使用されます。学術的な環境では、学会や講義、研究プレゼンテーションなどが挙げられます。また、政治家や公的な立場にある人々は、選挙演説や政策提案などでパブリックスピーキングを行うことが一般的です。

    スピーチやプレゼンとは違う?

    パブリックスピーキングは、日本語でスピーチやプレゼンという言葉で表現されることの方が多い「人前で話す」という行為を全般に指します。ビジネスやアカデミックな文脈をイメージする人が多いと思いますが、私がパブリックスピーキングのスキルアップを図りたかった理由の一つに、クリスマスなどイギリス人義家族の集まりでの会話を上達させたかったから、というものもあります。

    パブリックスピーキングはコミュニケーション

    つまりパブリックスピーキングというのは、聴衆とのコミュニケーションを円滑にし、情報を効果的に伝える能力ということで、規模を問わずさまざまな場面で使えるスキルというわけです。スピーカーは、明確で分かりやすい言葉を使い、自信を持って発話し、身振りや声のトーンを使ってメッセージを伝えることで、キャリアや人間関係に変化が生まれるのです。

    パブリックスピーキングは、自己表現力を向上させ、リーダーシップや影響力を発揮するためにも非常に重要です。また、他者とのコミュニケーション能力を高めることで、さまざまな状況での成功や、困難の回避をサポートしてくれる役割も果たすものだと言えます。

    英語のパブリックスピーキングの特徴

    パブリックスピーキングは人前で話すという行為ですから、日本語で行う場合にも適応されるコミュニケーションです。でも英語のパブリックスピーキングには、日本語とは少し異なる、英語という言語特有の気をつけるべきポイントがあります。

    クリアで自信のある発音

    英語のパブリックスピーキングでは、クリアで正確な発音が求められます。特にネイティブでない日本人が英語で人前で話をするのであれば、少しスピードを落として、自信を持って英単語やフレーズを発話することで、相手もネイティブでないかもしれない聴衆にも理解しやすく、信頼性のある印象を与えることができます。

    発音に自信のない方は、ぜひ以下のコースを受講してみてくださいね。

    自然なリズムとイントネーション

    英語は日本語とは違って非常にリズミカルな言語であり、自然な言語のリズムとインテネーションを使うことでパブリックスピーキングのレベルを上げることが可能です。文章を読むというのではなく、歌を歌うようなつもりでスピーチをすると、スピーチがより魅力的に聞こえます。

    適切な表現と表現力

    英語は同じ表現を繰り返し使うことを嫌う言語です。豊かな表現力を持ち、適切な表現を使うことで、スピーチの内容をより興味深く魅力的にすることができます。比喩や言い回しをうまく使いこなすのは難しいかもしれませんが、同じ表現が重複してしまいがちな箇所では、類語辞典を引いて違う表現を探してみましょう。

    だからといって、自分が言い慣れない表現を使うのはNGです。普段使わないような言葉を突然使おうとすると説得力にかける言い方になってしまいがちです。知らなかった単語を使うときは繰り返し練習して、しっかりと自分の語彙にしてから人前で使うとより自然に聞こえます。

    英語のボディランゲージ

    英語のパブリックスピーキングでは、日本語以上にアイコンタクトとボディランゲージが重要になります。ボディランゲージは、聴衆とのコネクションを築き、メッセージをより効果的に伝える手段となります。先程英語のスピーチは文章を読むのではなく、歌を歌うつもりでと書きましたが、ボディランゲージはそれに付随する振り付けと思っていただくと良いと思います。スピーチのジェスチャーも合わせて練習しておくと良いですよ。

    ロジックと語彙

    英語のパブリックスピーキングでは、スピーチの構成とロジックが日本語以上に重要視されます。明確な始まりと終わりを持ち、論理的に展開することで、内容をよりわかりやすくすることができます。曖昧な表現は避け、シンプルな言い方で、どのように伝えるとよりわかりやすくなるか、聞き手の立場になって考えてみましょう。スピーチを書く前に、見出しだけ先に書いて論理立てしておくのも効果的です。

    細かい文法は気にするな!

    日本人が英語のパブリックスピーキング力をあげるために、私が個人的にアドバイスしたいのは、「細かい文法は気にするな」ということです。私はこれまでヨーロッパ中で行われるビジネスやアカデミックな国際会議に出席してきましたが、英語が母国語でない外国人はみんな文法やコロケーションのミスをおかしながらも、自信を持って人前で話しています。

    そしてその細かいミスはパブリックスピーキングの印象を大幅に変えるものではないということを知っていただきたいです。ちょっとした文法ミスよりも、内容の面白さや、個性、自信といった要素の方が、スピーチやプレゼンの印象にずっと大きく影響するものなのです。

    英語のパブリックスピーキングに必要なスキル

    パブリックスピーキングに必要なスキルは多岐にわたりますが、ポイントになるスキルを以下に挙げておきます。

    アーティキュレーション

    アーティキュレーションは「話す力」とも言われ、言葉をはっきりと発音し、聴衆が理解しやすいようにする能力のことを指します。明確な発音とアーティキュレーションは、情報の伝達をスムーズにし、聴衆の興味を引きます。特にネイティブでない言語でパブリックスピーキングを行う場合は、大きな声で、口をしっかり開けて発話することを意識してみましょう。

    ボイスコントロール

    声のコントロールは、声の音量、速さ、トーンなどを適切に調整する能力です。適切なペースで話すことや、強調すべき箇所で声を変化させることが重要です。これは、ちょっと演劇をするのに似ているかもしれません。ユーモアを踏まえた部分では少し戯けてみたり、重要な部分は声量を挙げてゆっくり言ってみたり、役者になったつもりでスピーチできると印象がより良くなります。

    ボディランゲージとアイコンタクト

    ジェスチャーやポーズ、身振り、目線などの身体の動きは、スピーチの内容を補完し、聴衆とのコミュニケーションを強化するものです。パブリックスピーキングがコミュニケーションである以上、どれだけ大人数の聴衆が相手であっても、人としてのコネクションというのはとても大切です。目線を合わせることや、聴衆の反応に注意を向け、それに反応することで、より強いコミュニケーションをはかることにつながります。

    構成力

    パブリックスピーキングには、スピーチやプレゼンテーションの内容を適切に構成するスキルが重要です。明確な始まりと終わりを持ち、論理的に展開された内容は、聴衆の理解を深めることができます。また、スピーチを効果的に伝えるためには、魅力的な「語り」が必要になります。メッセージを明確に伝え、聴衆に共感を呼び起こすようなストーリーやエピソードを盛り込むことで、より心に残るスピーチができます。

    緊張対処

    パブリックスピーキングの一番の難しさは、緊張をコントロールすることかもしれません。よく緊張した時には深呼吸と言いますが、人前に立って話をするのが苦手だったり、予想外の緊張に見舞われた時、吸って吐くだけの深呼吸で本当に落ち着くでしょうか?私の場合は、落ち着きません。

    でも、そんな時にとっておきの緊張対処方法があります。それについては、以下の記事に詳しく書いていますので合わせてご参照ください。

    聴衆分析

    どんなに素晴らしいスピーチやプレゼンでも、聴衆のニーズや興味に合っていなければよかったと思ってもらえることはありません。よってパブリックスピーキングには、常に誰が相手であるのかを知ることが必要になります。それに合わせて内容を適切にカスタマイズし、対象である聴衆にとって価値のあるスピーチを行う努力をしなければいけないというわけです。

    質疑応答対応

    日本人が英語のパブリックスピーキングをする上で苦手としていることが多いのが、質疑応答のセッションです。これは事前に原稿を準備することができるスピーチやプレゼンとは異なり、予想外の質問にもその場で答えをだし、それを的確に言語化することが求められるからです。

    これに対処するためにできることとしては、事前に想定の質問を自分で書きだし、それに対する答えをある程度考えておくことです。大抵の質問は、その組み合わせで答えられるものとなりますし、質問された直接の答えがない場合は、質問の答えとは少しずれてもいいので、自分が伝えたい他のことを思い切って話してしまいましょう。新しい情報をもらえれば、聴衆は思いの他納得してくれるものです。

    英語のパブリックスピーキングを向上させるためのトレーニング

    それでは、英語のパブリックスピーキングを向上させるために、どんなトレーニングを行えば良いのでしょうか?いくつかできること、私自身がやってみたことを以下に挙げておきます。

    継続的な自主練習

    パブリックスピーキングは、スポーツなどと同じで、やり方やコツを聞いただけではいきなり上手くなるものではありません。練習して自分のものにして初めて上達するものです。

    鏡の前やお風呂の中で、簡単なお題を自分に出して練習してみましょう。タイマーなどをかけて時間制限を設けたスピーチの練習をするのも、より簡潔なパブリックスピーカーを目指すための効果的な方法です。友人や家族の前で練習するとフィードバックを受けることができて改善のポイントが見つけやすくなります。

    トレーニングコースやワークショップの参加

    パブリックスピーキングのトレーニングコースやワークショップに参加すると、プロの指導を受けることができます。目的に合わせて実際のスピーチシーンをシミュレーションしたり、他の参加者とのフィードバック交換が行われることがあります。

    スピーチクラブへの参加

    Toastmastersなどのスピーチクラブに参加するのも良いですね。私もロンドンのパブリックスピーキングクラブに所属していたことがありました。定期的に実際人がいる前でスピーチを行い、フィードバックを得ることで、段々と緊張の度合いも減少していったように思います。

    大抵のクラブは同志が集っているため、雰囲気も友好的かつ支援的であり、失敗しても笑われたりしない形でスピーキングスキルの向上を目指すことができますよ。

    自己録音の活用

    スピーチを自己録音して再生し、自分の声や言葉遣いを客観的に評価するのも効果的です。友達や家族、クラブなどの前で練習するのが恥ずかしいと感じる人も多いでしょう。私もその一人です。ビデオで録画した映像を見るのであれば、他の人の目を気にすることもありませんし、お金もかかりません。自分で改善点を見つけることができるだけでなく、自分の進歩を確認することもできます。

    普段の会話での自己意識

    普段英語で会話をする機会がある人は、普通の会話の中でも、自分のボディランゲージや声のトーンに意識を向けてみましょう。自分が相手に対してどう映っているかを感じながら友達と話をすることで、大人数の徴収を前にしても、同じようなつもりでうまく話せるようになります。

    まとめ

    いかがでしたか?英語のパブリックスピーキングのポイントについて理解いただけたでしょうか?パブリックスピーキングは1日で上達するようなスキルではありませんが、持っているとビジネスシーンなどだけでなく、人生を豊かにしてくれるスキルだと私は思っています。

    まとめてみると、歌を歌うように、踊りを踊るように、演劇を演じるように、英語を話すというのがポイントになります。皆さんもより豊かな英語のコミュニケーションができるように、頑張ってみてくださいね!