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英語の母音:発音記号と読み方

    英語の母音の発音記号

    英語に登場する音の中には、日本語にはない音もあるため、英語の正しい発音をマスターしたいのであれば、発音記号を使うのが非常に効果的です。

    英語の音はまず大きく分類すると母音と子音に分けることができますね。この記事では、母音に焦点を当ててお話していきます。

    英語の母音の発音記号の読み方

    英語の母音は全部で19あります。発音記号で書くと以下の表の通りです。

    ɪeæɔɪ
    əɜːʌɑːəʊ 
    ʊɔːɒɪə 

    発音記号の読み方を学ぶための方法はいくつかあるのですが、今日は日本人にも一番馴染みやすい「日本語の音との対応で仕分けする」という方法で読み方を学んでいただこうと思います。

    まず、英語には全部で19の母音がありますが、これを区分すると短母音、長母音、二重母音の3つに分けることができます

    英語の母音と日本語の母音の対応

    • 短母音の発音記号の読み方
    • 長母音の発音記号の読み方
    • 二重母音の発音記号の読み方

    このそれぞれを、日本語の母音「ア・イ・ウ・エ・オ」と対応させて見ていきたいと思います。

    短母音の発音記号の読み方

    短母音は全部で7つあります。

    発音記号 単語の例 発音のポイント
    æ   bag   日本語の「ア」を口を縦横両方に大きく開いて発音します。
    ʌbus日本語の「ア」を唇をリラックスさせた状態で発音します。
    ɪ big日本語の「イ」を唇を両脇に開いて発音します。
    ʊ book日本語の「ウ」を唇を突き出して発音します。
    əa日本語の「ア」と「ウ」の間の音を、唇と顎をリラックスさせた状態で発音します。
    ebed日本語の「エ」に対応します。
    ɒbox日本語の「オ」を口を縦に開いて発音します。

    長母音の発音記号の読み方

    長母音は全部で5つあります。日本語の5つの母音に対応させやすいですね。短母音は日本語の5つの母音のように短い音でしたが、長母音はカタカナで書いたときに「ー」と書いて伸ばすような長い音です。

    発音記号 単語の例 発音のポイント
    ɑ:  art   日本語の「アー」を、唇はリラックスさせ顎を開いた状態で発音します。
    i:cheap日本語の「イー」を唇を両サイドに開いて発音します。
    u:rule日本語の「ウー」を唇を突き出して発音します。
    ɜ:serve日本語の「エー」と「アー」の間の音です。
    ɔ:form日本語の「オー」を唇を突き出して発音します。

    二重母音の発音記号の読み方

    二重母音は全部で7つあります。二重母音は音の初めの音と終わりの音で口の形が変わる音です。日本語の母音にはそのようなものはないので、日本語の母音に対応させる場合は「ア・イ・ウ・エ・オ」いずれかの音の組み合わせのペアとして考えることができます。

    発音記号 単語の例 発音のポイント
    eɪ  case   日本語の「エイ」に対応します。
    ɔɪboy日本語の「オイ」で、「オ」のときに口を縦に開いたところから「イ」に移行します。
    life日本語の「アイ」に対応します。
    əʊgo日本語の「オウ」で、「ア」と「ウ」の間の音から始め、唇を突き出して終わります。
    out日本語の「アウ」で、「ア」では口を縦横両方にしっかり開いたところら始め、唇を突き出して終わります。
    ɪəyear日本語の「イア」で、「イ」では唇をスマイルするときのように開き、「ア」では口を半開きにして発音します。
    care日本語の「エア」で、「エ」では唇をスマイルするときのように開き、「ア」では口を半開きにして発音します。

    「eɪ 」と「əʊ 」には注意が必要です。カタカナで書くと「ケース」や「ゴー」となってしまうため、「エー」や「オー」のように発音してしまいがちですが、二重母音は長母音のように口の形を変えずに伸ばす音ではありません。よって音の終わりには口の形が変化しているということを意識して発音すると正しい音を出すことができます。カタカナで書くときも「ケイス」や「ゴウ」のように書くようにすると意識する癖がついていいと思います

    また、二重母音は日本人にとっては2つの母音の組み合わせになりますが、2つの音の間のシフトは非常にスムーズになります。口の形が変わっても、一つの音に聞こえるように、必ず一息で口の動きをできるだけ滑らかにするように意識してみてください。

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    3種類の母音と綴りの関係

    長母音

    i:

    綴りこの綴りを含む単語の例
    eacheap
    ee feed
    ebe
    iefield
    eireceived
    i_emachine
    e_eevening
    eopeople

    ɜ:

    綴りこの綴りを含む単語の例
    erserve
    irfirst
    urturn
    orword
    earearly

    ɑ:

    綴りこの綴りを含む単語の例
    arart
    aask
    a_echance
    alhalf
    earheart

    u:

    綴りこの綴りを含む単語の例
    ufuture
    u_erule
    oochoose
    odo
    o_emove
    ewnew
    ueblue
    ouyou
    oeshoe
    eaubeautiful
    jewview
    oughthrough

    ɔ:

    綴りこの綴りを含む単語の例
    orfrom
    aall
    oremore
    awlaw
    oordoor
    ourcourse
    oughthought
    aucause
    altalk
    artwards
    oarboard

    短母音

    e

    綴りこの綴りを含む単語の例
    ebed
    eahead
    amany
    aiagain
    ueguess
    iefriend

    ɪ

    綴りこの綴りを含む単語の例
    ibig
    ubusy
    uibuild
    i_egive
    epretty

    ʊ

    綴りこの綴りを含む単語の例
    oobook
    oucould
    upush
    owoman

    æ

    綴りこの綴りを含む単語の例
    abag, cat, apple

    ʌ

    綴りこの綴りを含む単語の例
    ubus
    oson
    oucouple
    o_elove

    ɒ

    綴りこの綴りを含む単語の例
    obox
    awhat

    二重母音

    綴りこの綴りを含む単語の例
    a_ecase
    aable
    ayday
    aitrain
    eabreak

    ɔɪ

    綴りこの綴りを含む単語の例
    oichoise
    oyboy

    綴りこの綴りを含む単語の例
    i_elife
    ichild
    ymy
    uybuy
    yebye
    iedie
    eieither
    eyeeye
    ighhigh
    y_etype

    əʊ

    綴りこの綴りを含む単語の例
    ogo
    o_eclose
    owknow
    oaboat
    oughthough

    綴りこの綴りを含む単語の例
    ouhour
    owtown

    ɪə

    綴りこの綴りを含む単語の例
    earyear
    eperiod
    eareally

    綴りこの綴りを含む単語の例
    arecare
    airair
    aarea
    erewhere
    eirtheir

    これが英語に出てくるすべての母音とその綴りの関係のルールになります。同じ音でも様々な綴りになる可能性があるのがご覧いただけると思います。私は発音と綴りと対応させて考えるというのが必ずしも効率的な学習方法だとは思いませんが、ルールや論理性が好きな方にはこうやって整理してみるとイメージが湧きやすいかもしれません。

    ちなみにこの中に含まれていないのは「ə:シュワ」という母音です。この音はあらゆるところに現れるため、綴りと対応させるより、シュワについてのルールを学んでいただく方がいいです。詳しく知りたい方は、ぜひ発音矯正コースを受講ください。

    日本人が苦手な英語の母音

    今度は、日本人が特に間違いやすい6つの母音の音について詳しく見ていきます。カタカナにもなっている英単語は特に日本語の音が体に染みついているため、ネイティブの発音とはだいぶ違う音で発音していることがあります。それでは早速みなさんがどれくらいカタカナ英語に騙されているか、チェックしていきましょう。

    1. ラストの [ ɑː ]
    2. ファーストの [ ɜː ] 
    3. ボールの [ ɔː ] 
    4. フォーンの [ əʊ ]
    5. アップルの [ æ ] 
    6. バスの [ ʌ ] 

    1. ラストの [ ɑː ]

    まず最初は、[ ɑː ]の発音です。

    last
    日本語だとラストですが、「ラースト」ともう少し長い音になります。

    pass
    こちらも日本語だとパスですが、「パース」と長めに発音します。

    afternoon
    これも同じで、「アフタヌーン」ではなく、「アーフタヌーン」です。

    ask
    「アスク」も「アースク」と長めに発音してください。

    castle
    日本語だと「キャッスル」と言いがちですが、吃音も「キャ」の音もなく「カースル」になります。

    2. ファーストの [ ɜː ] 

    first
    日本語では「ファースト」ですが、先ほど見た「アー」と混同しないように注意が必要です。「ア」と「エ」の間くらいの音になります。上顎と下顎の間が「アー」よりも狭くなります。

    church
    「チャーチ」も先ほどの「アー」とは区別して発音するようにしましょう。

    person
    「パーソン」も「ア」と「エ」の間の音です。

    early
    「アーリー」も「アー」ではなく「ア/エーリー」です。

    learn
    「ラーン」も「アー」のように喉を開きすぎず、「エ」という時くらいの半開き状態にするとうまく発音できます。

    3. ボールの [ ɔː ] 

    ball
    「ボール」はストレスの位置さえしっかり意識していれば、それほど難しくないですね。「ボウル」のように「ウ」を入れないように注意してください。

    more
    日本語だと「モア」になりますが、ここに「ア」は必要ありません。RPと呼ばれるスタンダード英語の発音では「モー」になります。

    store
    こちらも「モア」と同様に、「ストア」の「ア」は省略して、「ストー」になります。

    door
    これも同じです。「ドア」ではなく、「ドー」で大丈夫です。

    law
    最後に「w」が入っているので「ロウ」と発音していた人もいるかもしれません。でも「ウ」は必要ありません。「ロー」です。

    4. フォーンの [ əʊ ]

    phone
    先ほど見た「ボール」の「オー」と同じ発音だと思った人、残念ながら不正解です!「フォーン」ではなく、こちらは「フォウン」という感じになります。

    bowl
    この単語は、球技に使うボールではなく、料理に使う器などのボールですね。これは、球技のボールとは違う発音なので注意してください!「ボウル」です。

    hotel
    日本語では「ホテル」ですが、「ホウテル」というように「ウ」を入れて発音してください。

    post
    こちらも同様に、「ポスト」ではなく「ポウスト」と「ウ」が入ります。

    low
    先ほどみた法律の「ロー」とは違って、こちらは低いことを表す単語です。こちらは「ロー」と伸ばさずに「ウ」を入れて「ロウ」になります。

    5. アップルの [ æ ] 

    次は[ æ ]の発音について見ていきます。 

    apple
    口は結構しっかりめに開けてもらって、舌の奥の方が少し上がっているイメージです。私は人に教えるときなどちょっと大げさにやってますが、みなさんも最初はわざとらしくやるくらいがちょうどいいと思います。慣れてきたらだんだん自然になるように調性していけばいいのです。

    happy
    こちらも吃音は飛ばして、口をしっかり開けて発音しましょう。「ハッピー」じゃなくて、「ハピー」という感じです。

    talent
    「タレント」は最初の音節にストレスがきます。

    animal
    こちらもしっかり口を開けて発音します。

    back
    日本語で「バック」というよりも口を横に広めに開くイメージで言うとうまく発音できます。

    6. バスの [ ʌ ] 

    次は[ ʌ ]の発音について見ていきます。 

    bus
    「バス」の発音は[ æ ]ではないので注意してください。日本語の「バ」よりももう少し顎を狭めに開き、唇をリラックスさせた状態で発音する音です。

    club
    「クラブ」も「ラ」というときよりももう少し口元をリラックスさせて発音します。またアクセントの位置が「ク」ではなく、母音のある「ラ」にきます。

    cup
    こちらも同じで口をあまり横に開かずリラックスさせた状態で「カ」と発生します。

    plus
    「プラス」もアクセントの位置は「プ」ではなく「ラ」にきます。この「ラ」もリラックスした短い音です。

    up

    「アップ」も「ア」は口をリラックスさせ、吃音を飛ばして「アプ」のように発音します。

    みなさんどれくらいカタカナ英語に騙されていましたか?まずは、英語の発音はカタカナで私たち日本人が認識しているの違うものがたくさんある!ということを意識していただければ、それが大事な一歩です。

    英語の発音は綴りと対応しないのが厄介なところです。英会話頻出1000単語から割り出した、できる限りの発音と綴りの対応ルールについては以下の記事でご紹介しています。綴りとの関係が知りたいという方は以下のご参照ください。

    英語の発音のルール【母音の発音と綴りの関係完全保存版!】

    これで英語の母音の音についてはしっかりと理解いただけたと思います。今度英語を発音するときは、カタカナの音に騙されないように、英語の母音の音をしっかりと意識して発音してみてください!