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イギリスの保育園【料金・入園年齢・持ち物・食事など】

    イギリスの保育園に子供を預けるとなると、日本とはシステムも異なるため、わからないことが多いですよね。イギリスロンドンの郊外に住む筆者は、娘が生後7ヶ月の頃からイギリスの保育園に通わせていて、保育園通園歴は1年半ほどになります。

    この記事では、イギリスの保育園の基本的な体制から、実際に子供を通わせてみた正直な感想までをまとめています。イギリスで保育園に通わせることを検討している方の参考になれば嬉しいです。

    イギリスの保育園は何歳から入れる?

    保育園に預けられる月齢は、保育園によって異なるようですが、3ヶ月、あるいは6ヶ月から預けられるところが多いようです。筆者の娘は7ヶ月の時から保育園に通っています。本人が小さいためにまだ保育園がどういうところなのか、母親と離れるというのがどういうことなのかがよくわからないうちから、保育園に通うことが当たり前になってしまったのはよかったかなと思っています。

    また、イギリスには幼稚園に該当するものがないため、就学年齢になるまで親元で過ごすか、保育園に通わせるかということになります。政府の補助金がたくさん出るようになる3歳からは就学への準備も兼ねて通わせる人も多いようです。学校の学期中のみ通わせることもできるため、働いていない親御さんや、学校の先生などは、学期期間中のみ保育園を予約しています。

    保育園に入れる競争率はどれくらい?

    5ヶ月くらいの時に下見に行き、7ヶ月の時に保育園に通い始めました。週3日午前中だけということで希望を出したので、それほど入れるのに苦労はしませんでしたが、火曜日は空きがないためそれ以外の曜日にしてほしいと言われました。金曜日は子供の数も少なく、空きがあることが多いそうです。

    これは、パンデミックの後は火曜日、水曜日、木曜日をオフィス出勤にしている人が多い影響もあるようですね。お金を払って通わせるため、両親が働いているかどうかやどんな働き方をしているかなどは入園の基準として関係ありません。純粋に近くの通わせたい保育園にその時に空きがあるかということになります。

    慣らし保育はある?

    有りますが、たった3日でした。初日は母親同行で1時間、2日目は母親なしの1時間、3日目は母親なしの2時間でランチまでという内容でした。幸いうちの娘は筆者がいなくてもなくこともなかったので、その次の週からいきなり普通の通園となりましたが、慣らし保育にもっと時間が必要な子の場合はもう少し時間をとってもらえるようです。

    泣くことはなかったものの、やはりミルクやご飯を通常通り食べられるようになるまでには1ヶ月ほどかかりました。それでも朝7時半から午後1時半までの6時間だけということもあって、それほど不安に陥らずに保育園になれることができました。1年以上保育園に通った今では迎えに行くと帰りたくない、もっと保育園で遊びたいというくらいです。

    イギリスの保育園の時間は何時から何時まで?

    パートタイムも可能?

    筆者の娘が通っている保育園では、午前後午後のセッションが分かれていて、午前だけ、午後だけという預け方も可能です。ただ保育園に子供を入れる競争率が上がってきているせいか、先日2024年から新規登録者には半日だけ預けるというオプションをなくすという通知が来ました。

    午前は7:30からスタートし13:30までです。午後は13:30からスタートで最長で18:30まで預けることができます。保育園によっては午前と午後の入れ替えが12:30のところもあるようですので、預けたい時間に合わせた保育園を選ぶ必要もあるかもしれません。

    パートタイムの場合追加で預かってもらえる?

    上記の通りうちの娘はフルタイムでは通っていないのですが、急な出張や用事などで追加で預かってもらいたいなどという時は対応してもらえます。もちろん全ての日に空きがあるわけではないですが、事前に連絡して空きがあるようであればレギュラーで通っている日や時間以外の時にも預かってもらうことができます。その月は追加の分の料金の請求が来ます。

    イギリスの保育園の料金は高い?

    イギリスの保育園に通わせる費用は?

    イギリスの保育園代、特にロンドンは世界で最も高いと言われています。保育園によって多少違うとは思いますが、3歳未満の子を1ヶ月フルタイム(週5日)で通わせると約2000ポンド以上、1日あたり約100ポンド以上が相場になります。筆者が利用している保育園にはそれにプラスして登録料金200ポンドがかかりました。物価の上昇に伴って毎年料金が上がることも考えると、イギリスで子供を預けて働きに出るというのはとてもお金がかかることになります。

    イギリスの保育園の補助金はある?

    両親が共働き(二人ともがある一定の収入を得ている)である場合、0歳から1年あたり約2000ポンドの補助金が出ます。でも1ヶ月160ポンドです1日半分ほどの手当ですから、フルタイムで預けた場合の補助金としては気休め程度に過ぎませんね。3歳を過ぎると、週に15時間までの手当が政府からもらえるようになります。2024年からは、3歳未満の子供にも徐々に手当が増える計画が政府から出されています。

    保育園の補助金についての詳細は、以下の政府のリンクを合わせてご参照ください。

    https://www.gov.uk/help-with-childcare-costs/free-childcare-and-education-for-2-to-4-year-olds

    イギリスの保育園の持ち物

    イギリスの保育園の着替え

    保育園によっても違うのかもしれませんが、一般的に日本の保育園よりも持ち物は少なくて大丈夫という印象です。筆者の娘が通っている保育園では、基本的に着替えを1セット持たせているだけです。何度も汚してしまって着替えが足りなくなった時には、保育園に常備してあるスペアの洋服を貸してもらうことができます。借りた洋服は時間があるときに洗濯して返せば問題ありません。逆に子供が着られなくなった洋服などは寄付すると喜んで受け取ってもらえることもあるようです。

    イギリスの保育園の寝具

    日本ではお昼寝用のお布団を用意しなければいけないというのがスタンダードのようですが、娘の通っている保育園では決まったコットが一つずつあてがわれ、寝具も保育園の方で用意してもらえます。シーツなども毎週1度まとめて洗ってもらえるので、寝具の用意や持ち帰っての洗濯などは一才ありません。

    逆に、子供が自宅でも使っている寝具でないと寝られないなどという場合は、自分のものを持たせることも可能です。一人一人の子供専用のコットが用意されているので、毎回持ち帰らず保育園に置いてもらうことができます。

    イギリスの保育園の食事

    筆者が何よりも最初に驚いたのはイギリスの保育園の食事です。筆者の娘は7ヶ月から保育園に通っていると書きましたが、離乳食がまだ進んでいない時からガストロパブですか?!というようなメニューを渡されました。もちろん最初はすりおろしにんじんとかすりおろしアップルなどを食べさせてもらえたのですが、しばらくすると早くメニューにあるものが食べられるようにいろんなものを食べさせてくださいとプレッシャーが来ました。

    保育園の食事によくあるメニュー

    よって8ヶ月くらいにはすでにボロネーゼスパゲティとか食べさせられていたと思います。その他よくあるメニューとしてはフィッシュパイ、七面鳥のロースト、コテージパイ、チリコンカーネ、カレー、チキンヌードルスープ、マカロニチーズ、ビーフラグ、フィッシュフィンガー、フィッシュケーキなど、イギリスのレストランでの定番メニューが0歳の時から出されています。

    保育園に専属シェフがついている

    メニューの内容はともかく、専属のシェフが保育園についているのは栄養面でもとても安心で、イギリスの子供が簡素なサンドウィッチをランチに食べさせられている姿に比べると、ちゃんとその日にその場で調理されたレストランのようなメニューを毎日昼食に食べさせてもらえているというのは贅沢なのかなと思います。それもこれも高い保育園代を払っているがゆえ、ですけれどね。

    イギリスの保育園は正直どう?

    筆者の個人的な意見として、イギリスの保育園には料金以外については満足しています。0歳からさまざまな国や文化背景をもつ子供達が集まって暮らしているということを意識した教育が行われています。

    保育園側から、子供に意識させたい年中行事などについても聞かれ、お盆やお月見などの日本の年中行事を踏まえた活動も考案してもらえたのには大変感心ました。同時に、イギリス以外の国の行事にも触れることができ、それにちなんだアクティビティに子供が参加しているのを知ると大人としても勉強になります。

    イギリス内でも保育園や暮らしている地域によっては、勤務している保育士さんが移民ばかりで、美しい英語を聞いて育たないということを心配する親もいるようですが、筆者の子供が通う保育園ではイギリス人6割くらいなので、良いバランスが取れているように思います。

    ただ、冒頭に書いたように、日本とは比べ物にならないくらい保育園の料金は高いです。2024年より法律改定があって、共働きの家庭には保育園の補助金が増えることになりますが、それでもイギリスはフルタイムで働きながら子供を育てるのにはなかなか厳しい国と言えるのではないでしょうか。

    でも大学ランキングでも知られるようにイギリスの教育が世界トップ水準であるのは、教育セクターがビジネスとして成り立っているからだということを考えると、保育園から子供の教育的投資は始まっているのかもしれません。少なくとも、娘は母親と離れることを苦ともせず、日々のアクティビティや友達関係を0歳の時から毎日楽しんでいますよ。