イギリスで妊娠が判明、まず何をすればいい?

イギリスで妊娠が判明したら何をする?

海外で妊娠がわかったら、嬉しい反面一体何をすれば良いの?とちょっと戸惑ってしまいますよね。私自身イギリスで15年近く暮らしてきましたが、初めての妊娠ということもあって、陽性反応の妊娠検査薬を片手に、まずやったことはGoogle検索でした。

この記事では、イギリスで妊娠が判明したらまず何をすれば良いのか、イギリスの医療システムNHSで妊娠初期にはどんな医療サービスを受けることができるのか、そして簡素なNHSサービスだけで不安な時には、どのように効率的にプライベート医療サービスを利用すればよいかについて、体験談も交えてまとめてみたいと思います。

妊娠が判明したらやるべきこと

ロンドンでマタニティフォトお撮りします!

産婦人科のある病院に登録する

妊娠検査薬を使って妊娠がわかったら、まずは産婦人科(Maternity Unit)のあるNHSの病院に直接連絡して、登録してもらいます。当然ながら、NHSの病院でのお産は全て無料です。

私はてっきり、かかりつけ医(GP)からの紹介状が必要だと思っていたため、まずはGPに電話をかけたのですが、レセプションの女性から病院に直接連絡をするようにと指示を受けました。

病院はエリアの制限などなく自由に自分の意思で選んで良いということだったので、私は家から一番近く、さらに医師の知人から世界的にも有名な産婦人科医がいると聞いたChelsea and Westminster Hospitalを選択しました。ちなみに、英国王室の人たちが伝統的に出産しているのは、パディントン駅近くのSt Mary’s Hospitalです。ケイト妃が子供を抱いて出てくるシーンがテレビなどでもおなじみですよね。

ロンドンでマタニティユニットのあるNHS病院は以下になります。

  • Chelsea and Westminster Hospital
  • St Mary’s Hospital
  • Queen Charlotte’s and Chelsea Hospital
  • West Middlesex University Hospital
  • Northwick Park Hospital
  • Hillingdon Hospital
  • St Thomas’ Hospital
  • King’s College Hospital
  • University Hospital Lewisham
  • Queen Elizabeth Hospital
  • Princess Royal University Hospital

登録の方法はいたって簡単です。ウェブサイトのフォームに記入して送信するだけです。Chelsea and Westminster Hospitalの場合は以下のリンクから登録することができます。

https://www.chelwest.nhs.uk/services/maternity/self-refer-online

予約の通知が届く

登録から1週間くらいして、病院からメールとテキストで連絡が来ました。自宅にほど近い場所のクリニックで助産婦(Midwife)に会うアポイントメントについての連絡でした。このクリニックは登録した病院ともGPとも別の場所です。自宅ということもあるようですが、私はピムリコ駅近くのクリニックでした。登録したのは妊娠4週でしたが、助産婦との最初のアポはそれから1ヶ月ほど後の8週くらいの時期です。

最初の連絡から数日して、また同様のメールとテキストでの連絡がありました。こちらは病院でのエコー検査(Scan)のアポイントメントについてです。このアポはさらにさらに先の妊娠12週の日付でした。日本と違い、イギリスではリスクの低い妊娠の場合基本12週と20週前後の2回のエコー検査しかありません。ですから、最初のエコーが12週ということに驚かないでくださいね!

助産婦に会う

日本であれば、5週には産婦人科に出向いて胎嚢を確認し、6、7週頃に心拍を確認し、と胎芽の成長の経過を綿密に見守っていくようですが、イギリスでは妊娠検査薬を使って自分で検査してから、専門家の助言を一度も受けることなく約1ヶ月を過ごします。

日本のサイトを見ると、子宮外妊娠(Ectopic Pregnancy)などの可能性もあるから妊娠がわかったらすぐにお医者さんに診てもらうようにと書かれているにもかかわらず、イギリスではそんなことはお構いなしに放置されます。コロナウィルスでもそうですが、NHSは症状が出てから対処するという姿勢で、日本人はちょっと驚いてしまうかもしれません。

不安な1ヶ月を乗り切って、10週前にやっとミッドワイフに会うことができると、尿検査や血液検査をしてもらうことができます。血液検査などからは妊娠中毒症になっていないか、HIVやB型肝炎にかかっていないかなどのチェックが行われます。

また、飲酒や喫煙など基本的な健康状態についての問診だけでなく、サポートしてくれる人がいるか、あるいはドメスティックバイオレンスや女性器切除などに晒されていないかなど社会的な面についての確認もあります。さまざまな背景を持つ人が暮らす国というだけあって、そのあたりのサポートはしっかり考慮されているなと思います。

さらに、妊婦生活をしていく上での注意事項やアドバイスなども受けることができます。不安なことがあれば質問をする良いチャンスでもあるので、有効に活用しましょう。私は事前に質問リストを作って携帯にメモしていきました。

病院でエコー検査を受ける

ミッドファイフとの最初のアポからさらに1ヶ月くらいすると、やっと病院でエコー検査を受けることができます。プライベートサービスを利用しない場合は、これが最初の超音波検査ということになります。この検診は「Dating Scan」とも呼ばれ、出産予定日を特定したり、双子かどうかを確認したり、着床位置を確認したりするものです。日本ではおそらくもっと早い時期に行われているものですね。

ただ、NHSの12週スキャンの検査が素晴らしいのは、出生前診断を無料で行ってもらえるという点です。ダウン症などをはじめとする胎児の染色体異常を妊娠中に調べることができる検査ですが、日本で行うと数万から数十万かかるものです。

イギリスでは、まずエコーと血液検査を組み合わせたコンバインド検査が行われ、染色体異常の確率が高いと診断された場合には、羊水検査などを行うことができます。これは全て無料になります。ただ、もっとも精度が高くかつ流産の危険性も少ないとされる新型出生前診断(NIPT)は、リスクの高い妊娠にしか適用されず、NHSではあまり受けることができないようです。

2回目のエコー検査は、20週前後になります。こちらの検診では、胎児の骨、心臓、脳、脊椎、顔面、腎臓などに発育不全がみられないかなどがチェックされます。

プライベート医療をうまく利用する

上述の通り、イギリスの医療制度NHSが無料なのは良いですが、基本的にエコー検査が2回しかありません。イギリスでは8週まで専門家に面会することすらなく、エコー検査に至っては12週まで待たされます。一方日本では、妊娠が判明したら生理予定日から1週間過ぎた頃には一度産婦人科にかかるべきというのが一般的な見解のようです。

よって日本のスタンダードでは、イギリスの妊婦が初めての超音波検査を受けるまでにすでに5、6回エコー検査を受けている人もいるかもしれません。そんな不安なイギリス在住日本人妊婦におすすめなのが、プライベート医療のサービスをうまく活用し、NHSのサービスを組み合わせて利用するということです。

日系病院は高い

プラベート医療と聞いてすぐに思いつくのは、おそらく日系のプライベート病院だと思います。駐在の方の奥様などはみなさん、ジャパングリーンメディカルなどを利用されているようですね。もちろん旦那様の会社の医療保険などで医療費負担してもらえるようであれば、日本人のスタッフが対応してくれる日系病院に行くのが安心です。

でも、日系病院の何よりの難点は値段が高いということ。会社などからの特別な医療費サポートがない人は、なかなか手が届かないですよね。6週で見てもらおうと思っても、初診料とエコーなどの料金を合わせると300ポンド前後は覚悟しておく必要があるようです。

エコー専門サービス

日系の病院を利用するほどのお金は払いたくないけれど、早くても10週までエコー検査のないNHSのサービスではちょっと不安という方におすすめなのが、エコー専門業者のサービスです。

妊娠が判明してから間もない時期のエコー検査は、「Early Pregnancy Scan」と呼ばれていて、早いところでは6週から、もう少し遅いところでも8週から受け付けているところがほとんどです。

私が実際に利用したのは、自宅から徒歩圏内でかつお値段が安かったこともあって、「Meet My Baby」という会社です。ビクトリア駅のすぐ近くです。ここのスキャンは8週からですが私は8週0日に出向き、1回の検査は15分スロットで料金は70ポンドでした。素敵なインテリアの建物の中で、女性のスタッフが綿密にさまざまなアングルから確認してくれ、印刷した写真を3枚いただいて帰りました。

胎嚢、胎芽、卵黄嚢、心拍を全てまとめて確認できるだろうということで、8週まで待ってからエコー検査を受けにいきましたが、心拍数は数えてもらえず、聞いてみたところドップラー聴診器を使うのにまだ安全な週数でないため、正確に測れないから見えたら正常とするのだと言われました。

もう一つエコー検査の結果、小さいながら絨毛膜下血腫の疑いがある箇所が見つかり、その部分についての大きさや初見を書いたレターをもらえたことも大きな収穫だったように思います。それからしばらく安静にするなど自分なりに気をつけることができたからです。

できるだけ早い時期にミッドワイフに伝えるように、そして出血や強い痛みがあった場合は病院に連絡するようにというアドバイスもいただいて帰りました。70ポンドであれば、出血など何か心配なことがあったらすぐ行って診てもらえる額ですよね。今後も何かあれば利用したいと思っています。

Harley Streetにはたくさんのエコー業者がありますが、6週からエコー検査ができる業者で評判が良いのは、「Private Ultrasound」です。8週まで待てない方は、こちらでも同じようなサービスを受けることができます。

個人的には8〜9週でプライベートのスキャンに行くのが良いのではないかと思っています。なぜなら、日本には9週の壁という言葉があるようですが、この時期に心拍が確認できれば流産の確率はかなり下がると言われているからです。逆にそれまでに妊娠検査薬以上に妊娠を確信できるものがないのであれば、たとえ流産してしまっても諦めがつくのではないかと考え、私は8週をエコーの時期に選びました。

出生前診断NIPTテスト

NHSでは出生前診断として、コンバインドテストを無料で受けることができます。エコー検査と血液検査を組み合わせて行われるこのコンバインドテストは日本でも行われているものですが、精度が84〜90%と言われています。この検査でリスクが高いと診断された人は、羊水検査の機会を提供されることになっていますが、こちらは流産のリスクが1%ほどと言われています。

血液検査から行うことができるために流産のリスクを伴わず、かつ精度が99%以上と言われているのがNIPTテストです。この検査を受けるために日本では20万円ほどの費用がかかるようですが、イギリスにはプライベートでこの検査を行っているところが多くあり、ロンドンでの費用は400ー550ポンドほどです。

英語では商標である「Harmony Test」と呼ばれることもあり、大抵の場合はエコー検査とのパッケージになっていて、こちらは10週からテストすることができます。エコーと同様に、Harley Streetに、たくさんNIPT検査を扱っているクリニックがありますが、評判がよく値段も良心的なのが「City Ultrasound」です。

この病院のベーシックなパッケージだと、エコー検査とハーモニーテストで390ポンドです。3〜5営業日で結果が出るのも嬉しいですね。さらに、医師が精密なエコーを使ってNHSでは20週検診で調べる内容も検査が入ったハーモニーテストのパッケージだと490ポンドです。

NHSの検査の結果を見た上で、羊水検査をしたくないという場合には、NIPT検査を検討してみるというのも良いかもしれませんね。

まとめ

ロンドンでマタニティフォトお撮りします!

海外で妊娠、出産となるとさまざまな不安があると思います。私ももちろんたくさんの不安を抱えていました。NHSのサービスは無料なのは良いですが、日本のスタンダードと比べると不十分に感じる人もいるかもしれません。

でも、私自身不安になりながらさまざまなリサーチをした結果、NHSが初めてのスキャンを12週前後に行うということには、意味が込められているのではと強く感じました。

5週、6週といった早い時期で検査をして何かわかったとしても、染色体異常での流産を防ぐためにできることは限られているわけですから、知らないままに生理として流れていってしまった方が幸せという気もしました。

子宮外妊娠なら、痛みや出血など何らかの症状があって、その前にGPにかかることもあるでしょう。それならば、ドップラー聴診器でしっかり心拍を確認でき、また胎盤もかなりできてくる時期を狙って検査した方が、確実なことを妊婦に伝えられる、そんな時期が12週なのかなと。

妊娠中、不安はつきませんが、この記事に辿り着いたみなさんが、少しでも心穏やかに過ごされることをお祈りしています。一緒にがんばりましょうね!