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イギリスの有名な絵本作家とその代表作品

    イギリスの有名な絵本作家とその作品

    数ある英語の絵本の中でも、イギリス絵本作家の作品には独特の牧歌的な情緒があり、お土産やプレゼントにも最適な本がたくさんあります。絶対に抑えておきたいイギリスの絵本作家とその作品にはどんなものがあるでしょうか?ピーターラビットやパディントンは日本でもお馴染みですが、メイジースポット(コロちゃん)グラッファロなどのシリーズ作はもうチェック済みですか?

    イギリス在住の筆者は、最近1歳の娘と一緒に、老舗本屋さんWaterstonesに行くのが毎週火曜日のお楽しみになっています。Waterstonesは観光名所のピカデリーサーカスなどにも店舗を持つ老舗書店です。筆者はKingston upon Thamesにある店舗に行くのですが、娘は機関車の形のベンチに座って絵本を広げるといつもご満悦です。隣にはカフェも併設されていて、私にとってもリラックスした気分になれる場所です。

    そのWaterstonesのディスプレイに美しくイギリスの有名絵本作家の名作が綺麗に並べられていました。この記事ではぜひチェックしておきたいイギリスの有名な絵本作家とその作品について写真と一緒にまとめてみたいと思います。

    イギリスの有名な絵本作家と作品

    ベアトリクス・ポッター(Beatrix Potter)

    代表作品:ピーターラビット

    ベアトリクス・ポッターは、日本でも知らない人はいないほど有名なイギリス人作家、挿絵画家ではないでしょうか。1866年生まれの彼女の作品は、時代を超えて現代でも世界中で愛され続けています。筆者自身、子供の頃には彼女の代表作である「ピーターラビット」シリーズを読んで育ちましたが、今でも彼女の作品に描かれたかわいらしい動物たちや物語の世界観は世界のファンを魅了しています。

    ベアトリクス・ポッターは幼少期から自然を愛し、植物や動物に囲まれた環境で育ったそうです。小さい頃から絵を描くことが好きで、その才能は後に彼女の著名な挿絵と物語に繋がっていくことになりました。ポッターは自らの物語を出版する方法を模索し、最終的に『ピーターラビット』を含む数々の物語を自費出版しました。その後、その著作は大成功を収め、子供たちや大人たちに愛される作品として定着することとなりました。

    彼女の作品は日本に限らず多くの言語に翻訳され、世界中で愛されています。ベアトリクス・ポッターは1943年に亡くなりましたが、彼女の作品は今もなお人々の心を魅了しています。はるばる日本からイギリスを訪れ、ピーターラビットゆかりの地を訪ねて、イギリスの湖水地方を旅する人も少なくありません。イギリス国内でもその人気は不動で、さまざまな動物たちが繰り広げる物語は世代を超えて読み継がれています。

    マイケル・ボンド(Michael Bond)

    代表作品:くまのパディントン

    マイケル・ボンドもまたイギリスの著名な作家で、人気キャラクター「パディントン・ベア」を生み出したことで最もよく知られています。 1926年生まれのボンドは、英国空軍に勤務していた経歴も持ち、フルタイムの作家になる前はBBCのカメラマンとして働いていたそうです。

    彼の最も有名な作品である「くまのパディントン」は、1958 年に『パディントンと呼ばれたクマ』の出版によって誕生しました。 マーマレードが大好きで、ダッフル コートを着てスーツケースを持った姿が象徴的なペルーから来た小さなクマというキャラクターは、ボンドがロンドンのパディントン駅近くの店の棚で見つけたテディベアからインスピレーションを得たものだそうです。

    パディントンの冒険は子供にも大人にも絶大な人気を博し、数多くの本、テレビシリーズ、さらには彼の物語を原作とした映画も誕生し、日本を含む世界各国で大ヒット作となりました。 ボンドのストーリーテリングには、温かさ、ユーモア、そして穏やかな風刺が組み合わされており、非常にイギリス的な世界観や価値観を持っています。

    この魅力的で愛らしいキャラクターは、世代を超えて世界中の人々を魅了し続けています。筆者の娘も、テレビアニメシリーズで知ったことをきっかけに本が大好きになり、先日二人でパディントン駅まで銅像とショップを見に遊びに行ってきましたよ。

    ルーシー・カズンズ(Lucy Cousins)

    代表作品:メイジー

    ルーシー・カズンズは、児童書シリーズ「メイジー」で最もよく知られるイギリスの作家、イラストレーターです。 1964 年生まれの彼女は、幼い頃からアートや物語を描くことが大好きだったようです。 カズンズはカンタベリー大学で学び、その後ロンドンでグラフィックデザインとイラストレーションの専門知識を身につけました。

    彼女の躍進は、小さなネズミのキャラクター「メイジー」によってもたらされました。 就学前の子供たちのために書かれた本の、シンプルなイラストと赤や黄色、青や緑など原色を使った鮮やかな色彩が彼女の作品の特徴です。「メイジー」は絵本だけでなく、テレビシリーズでも広く人気を博し、その魅力的なストーリーテリングと活気に満ちた大胆なイラストがよく知られています。

    カズンズの児童文学へのアプローチには、日常的に経験するシンプルでありながら魅力的な物語があります。テーマに焦点を当てながら、若い読者の共感を呼ぶ物語を展開することができるのが彼女の才能であると言われています。さらに、彼女の作品はインタラクティブな要素で知られており、子供たちは「メイジー」とその友達のカラフルで遊び心のある世界を楽しみながら、さまざまなコンセプトを探索することができます。

    個人的には内容は少しシンプルかなと思いますが、1、2歳の子供が絵を見て物の名前を学ぶなどには最適だと思います。イギリスの図書館や本屋さんにもメイジーシリーズの本が多く揃えてあるので、イギリスらしい絵本をお土産などに探されている方にはおすすめです。

    エリック・ヒル(Eric Hill)

    代表作品:スポット(コロちゃん)はどこ?

    エリック・ヒルはイギリス人作家、イラストレーターで、犬のキャラクター「スポット」を生み出したことで知られています。日本語では「コロちゃん」として親しまれているキャラクターですね。

    1927年生まれのヒルは、デザイナー兼イラストレーターとして広告業界でキャリアをスタートしました。彼の作家としての成功はは、1980 年に「スポット」シリーズの最初の本である「コロちゃんはどこ?」によってもたらされました。遊び好きで好奇心旺盛な子犬のスポット(コロちゃん)というキャラクターは、シンプルでありながら愛らしい冒険のおかげで、すぐに若い読者の間で人気となりました。

    カラフルなイラストと組み合わされた「スポット」シリーズは、この子犬のキャラクターを中心とした多くの書籍が出版され、また複数の言語に翻訳され、テレビアニメシリーズにもなりました。

    ヒルの作品を特徴づけていたのは仕掛け絵本としての特性で、多くの本には子供たちが物語の中で「発見」することができるように持ち上げることができるフラップがつけられていました。 彼の作品は時代を超えて、楽しくて教育的な体験を子供達に提供しています。

    イギリス人の教師の友達などと話をしても、スポットシリーズはイギリスの就学前から低学年にかけての児童書の代表作として名前が上がっていました。個人的にはストーリー展開の面白さにはかけると思いますが、馴染みやすい可愛らしい子犬のキャラクターとフラップの仕掛けが娘もお気に入りのようです。

    ジュリア・ドナルドソン (Julia Donaldson)

    代表作品:グラッファロスティックマン、タビーマクタット

    1948年ロンドン生まれのジュリア・ドナルドソンは、おそらく今もっともホットな現代絵本作家ではないかと思います。当初は教師をしていた彼女ですが、その後児童書の執筆に専念するようになりました。

    作家としての成功は1999 年、森の中でさまざまな捕食者を出し抜く賢いネズミについての物語「グラッファロ」の出版によってもたらされます。虎の威を借る狐を元にしたと言われる機知に富んだ物語は、アクセル・シェフラーのイラストにも人気を後押しされることとなりました。

    彼女の作品は韻やリズム、繰り返しなどを多く取り入れた響きの良いスタイルで知られており、若い読者の興味を引き付け、本を声に出して読むのをより楽しいものにしています。 彼女の作品の多くは舞台化もされており、中にはアニメ映画やテレビシリーズ化された作品もあります。

    グラッファロ以外にも、ドナルドソンは多くの児童書を執筆しており、スティックマンやアクセル・シェフラーのイラストとともに、その独自のキャラクター設定と魅力的な物語はイギリス国内でも広く愛されています。小さな子供向けの仕掛け絵本などもあり、お土産にもおすすめです。

    私たちの暮らすロンドン郊外の街の劇場でも、今ちょうど子供向けのグラッファロのショーの公演が行われているので、町の子供服のお店などに、グラッファロのセーターやおもちゃなどが飾り付けされています。娘ももう少し大きくなったらぜひショーにも連れて行きたいなと思っています。

    ジュディス・カー(Judith Kerr)

    代表作品:おちゃのじかんにきたとらわすれんぼうのねこモグ

    1923年ドイツのベルリン生まれのジュディス・カーは、「おちゃのじかんにきたとら」と「モグ」シリーズでよく知られたイギリス人作家、イラストレーターです。カーの家族はナチス政権の台頭により1933年にドイツから逃れ、イギリスに定住しました。難民としての体験は、彼女のその後の人生、そして著作にも影響を与えたと言われています。

    カーは1960年代に児童書の作家。イラストレーターとしてキャリアをスタートします。 1968年に出版された彼女の処女作「おちゃのじかんにきたとら」は、たちまち人気を博士ました。 ソフィーという名前の少女とその母親を訪れるトラの物語は、その魅力と奇抜さでその後何世代もの若い読者を魅了しています。

    カーによって書かれたもう 1 つの主要な作品は、愛らしくも時にいたずら好きな猫の冒険を描いた「モグ」シリーズです。 1970年に発表された「わすれんぼうのねこモグ」から始まったこのシリーズは、絶大な人気を博し、子供たちだけでなく親たちにも愛されることとなりました。カーの独特のイラストスタイルと、少し不思議な物語を備えた愛らしいキャラクターは、家族、優しさ、想像力などのテーマを世代を超えて伝えています。

    ロアルド・ダール (Roald Dahl)

    代表作品:チョコレート工場の秘密、マチルダ

    1916年ウェールズ生まれのロアルド・ダールは、イギリス児童文学界で最も有名で想像力豊かな語り手の一人と言われています。

    作家として成功を収める前、ダールは多様なキャリアを積んでいました。 第二次世界大戦中にはイギリス空軍に勤務し、アフリカのシェル石油会社で働いていたそうです。ダールの作家としてのキャリアは、1943 年に「グレムリン」の出版とともに始まりますが、その名を世界に知らしめることになったのは、「ジェームズと巨大な桃」「チャーリーとチョコレート工場」「マチルダ」などの本の成功でした。

    彼の物語は、個性的な登場人物が登場し、彼らが並外れた冒険を通して進んでいきます。風変わりで、時には暗く、いたずらっぽいトーンも備えていて、子どもたちの共感をよび、子どもたちの想像力を刺激するものが多いのも特徴です。ダールの文体は、ユーモア、ファンタジー、そして時に少し不気味な雰囲気を独特にかけ合わせたもので、物語の中で深刻なテーマを扱うことも躊躇していません。

    印象的な悪役やヒーローは読者の深い共感を呼び、彼の本はさまざまな言語に訳されるとともに、映画化などもされ、今でも世界中の子供たちに愛されている作品です。

    その他

    その他にも、「くまのプーさん」で有名なA・A・ミルン(Alan Alexander Milne)や、「機関車トーマス」で有名なウィルバート・オードリー(Wilbert Awdry)など、イギリスには有名な絵本作家や作品がたくさん存在しています。イギリス人作家ならではの、ユーモアや想像力、牧歌的な風景などをぜひ楽しんでみてくださいね。

    筆者おすすめのイギリス人絵本作家

    ここまでは誰もが知っている有名なイギリス人絵本作家と作品についてみてきましたが、いくつか筆者が個人的に好きなおすすめイギリス人絵本作家も挙げておきたいと思います。

    マリオン・ビレット(Marion Billet)

    代表作品:Busy London

    ビレットの作品は、ストーリーよりもイラストとデザインにその良さがあります。ロンドンやイギリス王室をテーマとした著作はおみやげにもぴったりで、ストーリーの展開を追うことがまだ難しい小さな子供たちでも、ロンドンの風景の中に自ら様々なストーリーを見出すことができるようです。

    私が可愛いと思って手に取った「Busy London」はうちの娘のお気に入りで、ロンドンのランドマークの観光に行くときも、観光ガイドがわりに持っていましたし、仕掛け絵本で遊びながら、ディテイルをみて登場人物たちのストーリーを自ら語ってくれます。

    アメリア・ヘプワース(Amelia Hepworth)

    代表作品:だいすきだよおつきさまにとどくほど

    ロンドン生まれのヘプワースの作品は、言葉も絵も優しい温かみを持ち、子供に愛情を素直に率直に伝える言葉に溢れています。代表作「だいすきだよおつきさまにとどくほど」の日本版には、日本語と英語と両方が一緒に書かれているので、我が家では父親が英語で、母親が日本語で読んであげています。個人的には日本語訳もとても好きですね。子供に大好きだということを伝えたいご両親なら、ぜひ読んであげたい一冊です。

    ミック・インクペン(Mick Inkpen)

    代表作品:あおいふうせん

    思わずふふっと笑ってしまうストーリー展開と、可愛らしく優しいイラストが大好きで、インクペンの作品は本屋さんや図書館で無意識にもよく手に取ってしまいます。娘も同様で、彼の作品には思わず引き込まれて絵本をずっと眺めています。またシンプルながらユーモアのあるストーリーも子供にとってとても魅力的なようです。

    デイジー・ハースト(Daisy Hirst)

    代表作品:I Like Trains

    日本語には訳されていないようですが、彼女のシンプルながら個性のあるイラストが好きで、よく読み聞かせをしています。ストーリー展開もシンプルながら子供たちが身近に感じやすい内容で、「I Like Trains」を本当に何度も読み返していました。実際に電車に乗っておばあちゃんに会いに行った時のことと重ねていたようです。勝手に日本語訳も作って、そちらでも読み聞かせています。彼女の作風はインスタグラムでもチェックできるので、よろしければ覗いてみてくださいね。

    ちなみに、イギリスのアニメについては下の記事にまとめていますので、合わせて参考にしてみてください。

    まとめ

    もしも、日本語訳の出ていない作品で個人輸入したいという方がいらっしゃれば、お手伝いさせていただきますので、コンタクトページよりお気軽にお問い合わせください。また翻訳についてのお問い合わせもコンタクトページよりお願いいたします。